近年、カシューナッツやアーモンド、クルミといったナッツ類はスーパーやコンビニで目にする食材です。
健康や美容によいと耳にして、日々の食生活に取り入れている方も多いのではないでしょうか。
栄養豊富なスーパーフードとして人気を博するナッツですが、種類により栄養価が大きく異なることはあまり知られていないかもしれませんね。

そこで本記事では、ナッツの基礎知識や、メジャーなナッツに含まれる栄養素、ナッツを食べる際のポイントについて解説します。
ナッツにより詳しくなりたい方や、スーパーフードとしてナッツを上手に取り入れたい方は、ぜひ参考にしてください。
ナッツってどんな食べ物?
まずは、私たちが普段食べているナッツがどのようなものか、その特徴や近年の傾向について簡単に説明します。
植物の種や実のこと

料理やおやつの世界で「ナッツ」と呼ばれているものは、一般的に樹木に実る硬い殻に包まれた種実類のことを指します。
果実と比較すると、水分が非常に少なく、その分、植物が成長するための栄養(脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルなど)が凝縮されている点が特徴的ですね。
水分が少ないナッツ類は、長期保存にも適しています。
そのためスーパーやコンビニなどでは年中販売されていますが、本来の旬は秋。
ドングリやクリなどが秋に摂れる様子をイメージすると分かりやすいかもしれませんね。
近年摂取量が増えている
ナッツはたんぱく質や脂質が豊富である一方、糖質は少ない傾向にあります。
健康志向の高まりとともに、糖質オフの食品が注目されはじめたことで、栄養価が高く、かつ糖質の少ないナッツは日本国内でも人気を集めました。
おやつやおつまみはもちろん、アーモンドミルクのように植物性ミルクの原料としても使用されています。
ナッツの食感や香ばしさを活かして、料理にトッピングとして用いるケースも増えていますね。
目的別!おすすめナッツ

ナッツは数粒で多くの栄養素を効率よく摂れることから、スーパーフードとして注目されています。
しかしナッツと一括りにいっても様々な種類があり、栄養価はナッツによって異なります。
そこで今回はメジャーなナッツ4種類を取り上げ、栄養価の特徴と、おすすめポイントについてまとめてみました。
どのナッツを食べたいか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
たんぱく質:カシューナッツ

他のナッツと比べて食感がやわらかく、ほんのりとした甘みがあるカシューナッツ。
フライ/味付けのカシューナッツは100gあたり593kcalとメジャーなナッツ類の中ではやや低めです。
たんぱく質は100gあたり19.8g含まれており、これは植物性タンパク質が豊富に含まれています。
他にも代謝を支えるビタミンB1や、骨の健康に欠かせない亜鉛や鉄分などのミネラルもバランスよく含まれています。
ビタミンE:アーモンド

アーモンドもたんぱく質の多い食品ですが、カシューナッツとの違いは、ビタミンEを多量に含む点にあります。
ビタミンEは抗酸化作用を持ち、体のサビ(酸化)を防いで若々しさを保つための成分として知られています。
肌や髪の若々しさは美容のサポートとして、血管の若々しさは健康のサポートとして、それぞれ人気を集めていますね。
アーモンドのビタミンE(α-トコフェロールとして計算)の含有量は100gあたり29mg。
カシューナッツ、クルミ、ピスタチオなどの他のナッツだと100gあたり2mg以下です。
群を抜いて多く、摂取効率が非常に高いことが分かるでしょう。
美容、健康を意識してビタミンEを摂りたい場合には、アーモンドを取り入れるとよいかもしれません。
ω-3系脂肪酸:クルミ

クルミは100gあたり713kcalと非常に高カロリーです。
それもそのはず、炒ったクルミ100gのうち、脂質はなんと68.8gを占めます。
クルミの3分の2が脂質だというのですから、高カロリーも納得ですね。
クルミがスーパーフードとして注目されている理由は、この多量の脂質の多くをω-3系脂肪酸(α-リノレン酸)が占めているから。
ω-3系脂肪酸は体内で作り出すことができない必須脂肪酸のひとつです。
血流を改善したり、脳の働きをサポートしたりする効果が期待されています。
他のナッツのω-3系脂肪酸は100gあたり0.5g未満ですが、クルミは100gあたり8.96gと圧倒的な含有量を誇ります。
ω-3系脂肪酸を目当てにナッツを摂りたい方は、ぜひクルミを選びましょう。
カリウムと食物繊維:ピスタチオ

鮮やかな緑色を特徴とするピスタチオは食物繊維が豊富です。
食物繊維は主なエネルギー源とはならない栄養素ですが、お腹の調子を整えたり、コレステロールを減らしたり、余分な糖やナトリウムの吸収を防いだりと、さまざまな健康効果が確認されています。
さらに健康維持のため注目したいのが、カリウムを多めに含む点です。
カリウムは体の水分量調整に関わる栄養素。塩分の摂りすぎにより体に溜まりがちになった水分を、カリウムが体外に排出するよう働きかけてくれるのです。
血圧やむくみが気になる方には、無塩のピスタチオが役立つかもしれませんね。
ナッツを食べるときのポイント
このように、ナッツは少量でさまざまな栄養素を効率よく摂れる食品であることが分かりました。
毎日の暮らしにナッツを取り入れたいと考える方もいるかもしれませんね。
そこでここからは、ナッツを上手に取り入れるためのポイントを説明します。
毎日30gまでを目安に

ナッツは栄養価の高い食品ですが、脂質が多く高カロリーです。
比較的低カロリーなカシューナッツやアーモンドでも100gあたり600kcal、クルミでは700kcalを超えるため、食べ過ぎには注意が必要ですね。
目安として、1日あたり約30g、片手で軽く一握り程度までと覚えておきましょう。
30gまでであれば摂取カロリーを200kcal程度に抑えられます。
素炒り・無塩がおすすめ

市販のナッツを選ぶ際は、油や塩分が添加されていない「素炒り(ドライロースト)」や「無塩」のものがベストです。
ナッツ需要の高まりにより、きな粉やはちみつをかけたり、チョコレートでコーティングしたりした、より食べやすいナッツのお菓子も多く売られています。
しかしこれらは余分なカロリー摂取や塩分の摂り過ぎなどを招く場合がある点に注意が必要です。
スーパーフードとして選んだナッツで、太ったり、血圧の心配事が増えたりしては本末転倒です。
ナッツの栄養素を効率的に摂るため、素炒りかつ無塩のものを選ぶよう心がけましょう。
小分けのミックスナッツを活用

1日分のナッツの量が分かりづらい方や、どのナッツを食べたらよいか悩んでいる方には、小袋に分けられたミックスナッツの購入がおすすめです。
ミックスナッツからは、カシューナッツ、アーモンド、クルミのようなメジャーなナッツを摂取できます。
アーモンド由来のビタミンEや、クルミ由来のω-3系脂肪酸など、それぞれのナッツに特徴的な栄養素をより効率よく、より手軽に摂れるでしょう。
複数の種類を一袋から万遍なく摂れるため、飽きずに続けやすい点も魅力的ですね。
アレルギーに注意

ナッツの消費量が増えたことで、ナッツの食品アレルギーも増えてきました。
とくにクルミのアレルギーが多く、2023年には消費者庁により「特定原材料」に指定されました。
卵や小麦と同様の、表示が義務付けられる食品です。クルミのアレルギーが急激に増えていることが分かりますね。
アーモンドやカシューナッツなど、他のナッツでアレルギー症状が出る場合もあります。
これまでほとんど食べたことのない品種においては、一度に大量に摂らず、少しずつ試すようにしましょう。
お好みのナッツで毎日を元気に!
ナッツはその栄養価の高さから少量でさまざまな栄養補給がおこなえるスーパーフードです。
旬は秋のものが多いですが、水分量が少ないため長期保存ができ、スーパーやコンビニでも年中手に入ります。
1日30gまでを目安に、ぜひ日々の生活にナッツをおいしく取り入れてみましょう。
<参考文献>
文部科学省 | 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年(食品成分データベース)