ダイエットで陥りがちなのが「あと●ヶ月で●●kg痩せなきゃ!」というような短期的な視点。短期的に痩せれば痩せるほど、短期的に戻りやすくなります。今回はそれを防ぐべく、長期的な視点について考えていきましょう。
短期的なダイエットの落とし穴
短期的なダイエットはもちろん可能なのです。
・しっかりと食事を制限する事
・毎日運動する事
上記を実行するだけで痩せてくるでしょう。しかし、この方法で痩せた場合には、すぐに戻ってしまう可能性があります。その理由はというと・・・。
筋肉をつけながらダイエットが出来ない
短期集中ダイエットにおける筋トレの意義は、筋肉を「つける」というよりも「維持する」ためのものです。急激な食事制限により、筋肉まで痩せ細ってしまうのを防ぐ為に筋トレをしていきます。
ボディビルダーの方々が試合前の減量で筋トレを続けるのもこういう意味があります。
筋肉をつけるという過程は、しっかりと時間をかけなければなりません。そういったことから、短期的なダイエットは「筋肉がつかず、代謝の底上げが難しい」から戻りやすいということが考えられるんです。
一生食事制限を続けられない
大抵の人の場合は、この期間に行う食事に嫌気がさしてくるはずです。
それを一生続けることが出来ればもちろん一生その体型だと思いますが、それは無理!という方が多いはず。
筋肉をつけ、代謝の底上げをしながら食事はしっかり摂取する(もちろん食事の質は変換していきます)。そういう地道な取り組みの結果、体は良い方向へと変化していくのです。
長期的目標を立ててみよう
短期的な視点のデメリットが分かったところで、長期的な視点を立ててみましょう。
長期的な視点を立て、短期的な目標を明確にし、日々行うことを淡々と遂行する。その流れが目標達成には必要です。
出来るなら3ヶ月以上先の目標があると良い
人体の細胞は、数ヶ月で細胞が全て生まれ変わると言われています。ということは変化するにはそれくらいのスパンが必要だということ。
そこから、出来るなら3ヶ月以上先に目標を掲げてみましょう。
例えば
・3ヶ月後の○月○日に○kgになる!
・半年後の○月○日に体脂肪率○%になる!
など。日付まで決めておくとより目標の期限が明確になりますね。
長期的なものから短期的なものを逆算していく
長期的な目標がはっきりとしたら、短期的な目標を立てていきましょう。
3ヶ月目標ならば、最初の1ヶ月はどれくらいになる必要があるのか。次の1ヶ月はどれくらいになる必要があるのか。
例を2つ挙げてみたいと思います。
例1:3ヶ月後に5kg減量する!
3ヶ月で5kg減量するということは、1ヶ月で1.7kg前後の減量が必要になります。1ヶ月単位だと3ヶ月から見たら中期スパンくらいですね。
1ヶ月で1.7kg減量なので、1週間では400gほどの減量になります。
ということは3日で200gずつの減量があれば順調という評価になります。
それに合わせて、食事や運動の量を調整していくというわけですね。(体重や体脂肪率からも食事や運動の量は変化します)
例2:半年後に体脂肪率を8%落とす!
半年で体脂肪率を8%落とすので、1ヶ月で1.3%ほど減少していれば順調という評価が出来ます。
すると、1週間では0.3~0.4%の減少をする必要があります。
3日で0.15%~0.2%の減少ですね。
ちなみに、評価に関しては「3日の平均」を取るとより確かな評価が出来ると思いますので参考にしてみてください。
2週間何も変化が無ければ運動と食事を見直す
ダイエットをしている時、変化が出ない時が必ずといっていいほど現れます。そういった時は「2週間」を基準にしてみてください。
2週間、運動も食事もしっかりしているのに(隠れてお菓子とかお酒とか多く食べ飲みしていたら話は別です!)減らないという人は見直しの必要あり。次の2週間に向けて戦略を練り直しましょう。
農業は時間がかかる
私たちの生活というのは、勉強してテストしてすぐに点数が出てというように、結果がすぐに出るように出来ています。
ただ、人体というのは自然の一部です。ので、変化はすぐには訪れません。
お米も、田んぼを耕して、苗を植えて、収穫して、脱穀して、、、など様々な過程を経てやっと食べることが出来ます。それが「自然」だからです。
結果をすぐに求めたくなるのが分かりますが、人間も自然の一部ということを忘れないでください。
ということは、「流れが変われば全てが変わる」のもまた真実。短期的な「点」が根付き、長期的な「流れ」になれば、良い身体になるのは時間の問題。
人の一生は重き荷を負うて
遠き道を行くが如し
急ぐべからず
徳川家康の言葉通り、焦らず、ただ確実に良い身体へと歩を進めていきたいですね。
<コラム著者プロフィール:今野拓也>
渋谷でジムを2店舗運営しながらパーソナルトレーナー活動をしています。自身の怪我の経験から身体に興味が湧きトレーナーに。大学時代に独立し6年トレーナーとして活動しています。好きなお寿司のネタはサーモン。毎晩行う老子の書写が幸せなひと時。
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