体組成計(体重計)の仕組みを解説。なぜわかる?どうやって測る?測定方法と精度の高い測定結果を得るための注意点とは

 

体組成計(体重計)の仕組みとして、どのような項目を測定できるのか、なぜわかるのか、測定の際にどのような方法で体内の構成要素を計測しているのか、を説明していきます。

体組成計の仕組みを理解することで、できるだけ正確な体組成数値を測定し、自身の健康管理やダイエットなどに活用していきましょう。

また、本文内には人気おすすめの体組成計も紹介していますのでぜひご覧ください!

体組成計の測定方法や仕組みを解説する女性

 

 

体組成計の測定には、電極から微弱な電流を流すことで体の状態を把握できる、「生体インピーダンス法」という方法が採用されています。

まずはこの体組成測定の仕組み:生体インピーダンス法について解説します。

 

体組成測定の目的

そもそも、体組成測定はなぜ行われるのでしょうか。体組成計では体脂肪率やBMI、内臓脂肪レベルなどの数値を計測できます。

このような数値が分かることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。

健康管理

体組成測定の目的の1点目に、健康管理があります。

体組成とは、「カラダが何でできているか」を示す数値となります。カラダは大きく分けて「脂肪」「筋肉」「骨」「水分」の4成分から成っており、体組成測定を行うことでこれらの割合を測定できます。

健康管理を行ううえで、体組成数値を知っておくことでどのようなポイントに注意して自身の体調を気にすればよいかが分かります。病気やその予兆が表れる前に、体組成測定を行うことで自身の健康管理に活かせます。

ダイエット

体組成測定の目的の2点目に、ダイエットがあります。

体組成計では、体脂肪率や筋肉量などを測定できます。ダイエットを行う際に体脂肪率を下げて筋肉量を高めるよう意識することで、健康的なダイエットを行うことが可能となります。

トレーニング

スポーツなどのトレーニングに体組成測定が有効な場合があります。

体組成計では、筋肉量の測定が可能なものが多くあります。トレーニングを行う際には、トレーニングによって付いた筋肉の量を確認したり、もともと付いていた体脂肪が減ったかどうかを確認することで、最適なトレーニングが行えます。

 

体組成測定の方法

ここからは、体組成測定の方法について解説します。

現在の体組成計のほとんどは生体インピーダンス法という測定方法を採用していますが、体組成測定を行う方法はその他にも数多くあります。

以下では体組成測定の方法を4種類お教えします。

生体(電気)インピーダンス法

生体インピーダンス法とは、測定者の体に微弱な電流を流し、その際の電気の抵抗値を測定することで体組成を推測する方法です。インピーダンスとは「交流抵抗」という意味で、電気が流れようとする時に生じる抵抗値のことです。

脂肪は電気をほとんど通さないのに対し、体内の水分や筋肉など電解質を多く含む組織は電気を通しやすい性質があります。そのような性質を利用して体組成を測定できます。

TANITA(タニタ)やOMRON(オムロン)など、有名ブランドの体組成計も生体インピーダンス方を採用しています。

二重エネルギーX線吸収法(DXA)

従来、一般的に用いられていた体組成測定の方法です。X線を用いた測定方法で、X線の透過率から脂肪や筋肉などの体組成を測定できます。

非常に正確で詳細な数値を測定できる反面、高いコストがかかることや、専門の医療機関などでしか使用できず、一般用の体組成計では、採用されていません。

重水希釈法

通常の水、H2Oの水素原子「H」を重水素原子「D(ジュウテリウム)」で置きかえた化合物である「重水(D2O)」を飲み、尿から出る重水の濃度を調べて体水分量を算出する方法です。

重水素とは、普通の水素に比べて若干重く、人が飲んだ後に十分な時間を置くと体内の水分中の重水の濃度が一定になるため、尿に含まれる重水濃度から体内の総水分量を求めるという方法です。

水に塩を入れた際に塩分の濃度と量が分かることで、水の量が分かる原理を利用して体組成測定が行えます。

4コンパートメント方式

水の中に潜り、体の体積を測ることで、体脂肪密度の違いなどから除脂肪量、体脂肪量を算出する水中体重測定法と、重水希釈法で水分量を、二重エネルギーX線吸収法(DXA)で骨塩分量を測定し、計測値を方程式に当てはめて体脂肪を算出する方法です。

カラダをミネラル・水分・脂肪・タンパク質の4成分に分けて考える方法で、非常に精度の高い測定結果が得られます。しかし、高コストでなおかつ複数の測定方法を行う必要があり、手間がかかることから一般的ではありません。

 

ここからは、体組成計の仕組みを説明します。体組成計で測定することができる具体的体組成項目や、各体組成項目の測定の仕組みを詳しく解説します。

 

体組成計で測定可能な主要項目

体組成計で測定することができる主な体組成項目をお教えします。以下の8項目は、市場に出回っている多くの体組成計で測定できる項目ですが、機器によっては測定できないものがありますので、注意が必要です。

筋肉量

体組成計では、筋肉量を測定できます。健康管理はもちろん、特にトレーニングを行っている方にとって、現状の筋肉量を測定することは、自身のトレーニングの効果を確認する意味で重要な意味を持ちます。

また、筋肉量測定は自身の体脂肪率や基礎代謝を算出する際に役立てられます。

体脂肪率

体組成計では、体脂肪率測定が行えます。体脂肪率とは、自身の体重に対して占める脂肪の割合をパーセンテージ(%)で示したものです。

つまり、体脂肪率が高いことで体重に対する脂肪の量が多い状態を表しており、脂肪が多いことで基礎代謝が落ちるなどの傾向が強くなります。自身が肥満であるかどうかは、体重ではなく体脂肪率から判定することとなります。

BMI

体組成計で測定可能な項目の4点目に、BMIがあります。BMIとは、「Body Mass Index」の略で、肥満を判定する指標の一つとして利用される数値です。

BMIは肥満指数とも言われ、体重(kg)を身長(m)の二乗で割って算出されます。例えば、身長165センチで体重が60キロの場合には以下のように計算されます。

  • 体重÷(身長の二乗)=BMI
  • 60÷(1.65×1.65)=22.03

WHOの国際的な基準によると、BMI25以上で過体重、30以上が肥満となります。また、BMIは22が健康的で理想的な数値と言われています。

内臓脂肪レベル

体組成計では、内臓脂肪レベルを計測できます。

内臓脂肪とは体脂肪の一種で、皮膚のすぐ下に付く皮下脂肪に対して内臓の周りにつく脂肪のことを指します。内臓脂肪は外から見て確認する事はできませんが、内臓のすぐそばにあるため、血管に入り込んだ場合に臓器に直接影響を与える可能性があります。

内臓脂肪レベルは、数値が高いことで、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病に直結する可能性がある数値です。

基礎代謝

基礎代謝とは、「呼吸をする」「心臓を動かす」「体温を保つ」など、カラダを動かすためのエネルギーのことです。体組成計ではこの基礎代謝の測定を行えます。

基礎代謝は、筋肉が最も消費量が多く、筋肉量が増えることで基礎代謝の数値が上がり、太りにくく痩せやすいカラダになります。そのため、ダイエットを行う際には基礎代謝に着目することが有効です。

体内年齢

体組成計の測定項目の6点目に、体内年齢があります。体内年齢とは、測定した体組成データと、実年齢を考慮して体組成計が独自の判断で算出する数値です。

体脂肪率が低く、基礎代謝が高ければ体内年齢は若くなり、反対に体脂肪率が高く、基礎代謝が低ければ体内年齢は高齢になります。

体水分率

体組成計による体組成測定によって、自身の体内の水分量を測ることができます。

体水分率とは、体重に占める体水分量の割合のことです。水分は、人間のカラダを構成する重要な項目の一つです。体内に栄養を回すことや、老廃物の回収、体温調整など体にとって重要な役割を担っています。年齢とともに、体内の水分量は減っていくこととなります。また、女性の方が男性に比べて数値が低い傾向にあること、体脂肪率が高い人の方が低い数値が出やすいなど、性別や年齢などの様々な要因によって変化します。

推定骨量

体組成計では、体内の骨量を推測できます。

カラダを支えることや、内蔵や脳の保護、カルシウムを蓄えるなど様々な働きがありますが、加齢とともに減少します。骨量を表す数値が低い場合には、骨が弱りかけている可能性があることとなります。

 

体脂肪率測定の仕組み

ここからは、体脂肪率測定の仕組みを解説します。

体脂肪率は、体重に占める脂肪の割合を指し、現在では多くの体組成計で生体インピーダンス法による測定が行われています。しかし、体脂肪率測定のみを行う場合には他にも様々な方法で計測できます。

  1. 水中体重法(水中体重測定法)
  2. ボドポッド(BodPod/空気置換法)
  3. 皮下脂肪厚法(キャリパー法)

体脂肪率測定の3種類の方法について、以下でそれぞれについて詳しく説明します。

水中体重法(水中体重測定法)

水中で体重を測り、陸上と水中での体重の差から身体の密度を算出して、体脂肪率を推定する方法です。従来の体脂肪率測定の一般的な方法ですが、測定コストが非常に高い難点があります。

ボドポッド(BodPod/空気置換法)

カプセル内の空気の圧力の差から体脂肪を求める方法です。水分体重法と同様に、体内を密度の高い筋肉や骨がどれくらいの割合を占めているかを算出することで、密度の低い脂肪の割合を計測します。

水中体重法と空気置換法は、精度の高い体脂肪率測定ができる一方で、測定にかかるコストが高い難点があります。

皮下脂肪厚法(キャリパー法)

キャリパーと言われる測定機器を使用して、皮下脂肪を測定する方法です。

キャリパーがあればいつでもどこでも測定できますが、測定の際には常に毎回、皮膚の同じ場所をつまみ、同じ圧力をかける必要があります。そのため、専門家ではなく測定に慣れていない人が計測すると、測定値が安定せず、正確な数値を得ることが難しくなります。

 

基礎代謝の測定方法

体組成計による基礎代謝の測定は、体重・性別・年齢・体脂肪率・身長などの体組成の測定結果をもとに算出されることとなります。

基礎代謝の数値は、特に筋肉量と体脂肪率によって左右される傾向が強くなります。筋肉はカラダの構成要素の中で最も消費エネルギー量が多く、筋肉量が多いことで基礎代謝の数値が向上することとなります。体内の体脂肪率が低くなることで、筋肉量が増加し、基礎代謝の数値に影響を及ぼす仕組みとなります。

 

推定骨量測定の仕組み

脂肪以外の組織(除脂肪量)との相関関係をもとに、統計的に推定した骨量が表示されます。測定者と同年齢の骨量や性別からデータをもとに推定値が示されます。あくまで推定値なため、参考程度に見ておくことが大切です。

 

体年齢判定の仕組み

体内年齢は、測定した「体脂肪率」「皮下脂肪率」「内臓脂肪レベル」「基礎代謝」「筋肉レベル」「骨レベル」などの体組成データと実年齢を考慮して算出されます。

体組成計メーカーが独自に算出した年齢になるため、あくまでも参考程度にしておくことが大切です。

 

ここからは、体組成計を使用して体組成を測定する際の注意点をお教えします。以下の注意点を知ることで、精度の高い、正確性の高い体組成測定の結果が得られます。きちんと理解しておきましょう。

 

測定結果は確実ではない

注意点の1点目に、体組成の測定結果の正確性があります。最新技術や生体インピーダンス法などによって、測定結果の精度は従来よりも正確になっていますが、測定結果が必ずしも正確であるとは限らず、数値がばらつき、あてにならない場合があります。

では、体組成計の測定結果はなぜ変動してしまうのでしょうか。以下に測定結果のばらつきの要因として考えられる原因を2点解説します。

体水分量の変動

生体インピーダンス法では、体内に電流を流し、流れやすいか流れにくいかで体組成が測定されています。

筋肉は脂肪に比べて電流が流れやすく、これは筋肉の中に脂肪より多くの電解質を含む水分があるためです。そのため、体水分量の変動によって測定結果がぶれる可能性があります。

体温の変化

測定結果のばらつきの要因の2点目に、体温の変化があります。

これは、体温が変化することで結果的に体水分量が変化するためです。例えば、運動直後は体温が上がり、発汗などよって水分量が少なくなる傾向にあります。そのため、運動後に体組成測定を行うことで、通常時よりも電流が通りにくくなり、体組成測定の結果が変化する場合があります。

反対に、体温が下がっている場合にも、血管が収縮することによって体水分の状態が変動するため、測定結果がばらつきやすくなります。

機種による測定方法の違い

測定結果のばらつきは、測定する体組成計が違うことで発生する可能性があります。

体組成計は、機種によって測定方法が異なる場合や、計測場所によってかかる重力が違う場合があります。そのため、測定方法や計測する場所の違いによってカラダが変化し、測定結果が異なる可能性があります。

 

過信しすぎない

体組成計の測定結果は、過信しすぎないことが大切です。

上述のように、測定結果は測定環境に大きく左右されることとなります。そのため、測定状況によっては測定結果が若干ぶれることがあります。健康管理やダイエット、トレーニングの際に体組成数値を気にするのは非常に重要ですが、とらわれ過ぎずに参考程度に見ておくことが大切です。

 

体組成計の仕組みについて解説しました。体組成計では、筋肉量や基礎代謝、体脂肪率、推定骨量など様々なカラダの構成要素について測定できる非常に便利な機器です。日常的に体組成測定を行うことで、効率的な健康管理やダイエット、トレーニングに活用できます。

さらに、体脂肪率や基礎代謝と言った測定項目それぞれの測定の仕組みをお教えしました。各項目ごとに必要な体組成データが異なることや、数値が分かることでどのような効果を得られるのかが異なります。

また、体組成計での体組成測定は、測定する環境によって計測結果が異なる可能性があります。体組成計の測定の仕組みを理解して、測定時の状況をできるだけ正確な数値が計測できる状態にするようにしましょう。

 

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