靴の「中敷き」として知られる「インソール」ですが、皆さんは機能性に優れた専用のものを使ったことはありますか?
昨今では、サイズ調整や消臭抗菌を目的としたもの以外に、立ち仕事などの疲労を軽減できるクッション性に特化したものや、ウォーキングやランニングといった運動パフォーマンスの向上に役立つものなどが登場しています。
こうした機能性に優れたタイプの高機能インソールを利用してみるとその効果に驚かされることがあります。
今回は、機能性に優れたインストールを取り上げ、その効果を解説するとともに、購入する際の選び方のポイントやおすすめ製品を紹介します。
なお、扁平足、外反母趾、筋膜炎などの軽減といった医療用・矯正用インソールは本ページでは取り扱いませんのでご注意ください。
高機能インソールの効果とは
高機能インソールを使うと、足裏にかかる衝撃を分散吸収させたり、負担のかかりにくい歩き方に補正したりなど、本来の足の働きをサポートすることで疲労軽減やケガの予防に効果があります。
他には、足裏のアーチを支えて足元を安定させることで、運動パフォーマンスの向上にも寄与します。
高機能インソールは、画期的に何かの病気を治すような効果は望めませんが、総じて、身体を支える土台となる「足」のストレスを緩和することで、健康的な身体づくりのサポートや運動機能を改善する効果が見込めます。
高機能インソールの選び方
正しくインソールを選ぶためには、目的や用途に合わせて選ぶことが重要です。
インソールの目的や使用シーンを思い浮かべながらインソールが持つ特徴と合致するかを確認することが大切です。
目的例
・疲労軽減
・スポーツ用
使用シーン例
・普段使い
・立ち仕事
・ウォーキング
・ランニング
インソールの特徴例
・安定性(アーチサポート、バランスサポート)
・クッション性や反発性
・吸湿や消臭などの快適性
インソールの効能例
・疲労軽減
・運動パフォーマンス向上
サイズ
メーカーや製品のサイズ表記が実際の足のサイズ感とは微妙に異なっていたために合わなかった、ということがないよう注意が必要です。
また、良くある勘違いですが、足の実寸ではなく、シューズのサイズ表記に合ったインソールを選びましょう。
とはいえ、ほとんどのインソールは買った後に各自で調整ができるように、ハサミでカットしてサイズ感を合わせることができるタイプが多いです。
重さや厚み
インソールによっては衝撃吸収のクッション素材などによって重さや厚みが出てしまうものがあります。
実際に靴の中に敷いてみると思った以上に足全体が重かったり、窮屈になったりする可能性もあるので、重さや厚みにも注意することが好ましいです。
おすすめの高機能インソール
それでは、ここからはおすすめの高機能インソールを5つご紹介します。
ニューバランス RCP280
ニューバランスはもともと矯正靴を作っていた米国メーカで、足の解剖学的な知識、整形外科や運動生理学に対して深い理解を持っています。
ほどよいグリップ力と反発力を持つRCP280は立ち仕事やウォーキングだけでなくランニングにも最適で、とにかく軽いので長い時間履いていても疲れないのが特徴です。
インソールの表面には滑りにくい特殊素材が使われており、地面を蹴る際の踏ん張りが効きます。
靴に入れてインソールが大きかった場合、ガイドラインが付属されているので靴のサイズに合わせてカットすることもできます。
安すぎず高すぎずな価格なので、もともと高機能インソールに興味を持っていたが、まだ試せていないような人におすすめです。
同メーカーのRCP150の構造はRCP280と同じで、インソール表面(足の接着面)の滑りにくい加工(ナノフロント)の有無の違いです。
ザムスト フットクラフト
ザムストは日本シグマックスという国内の医療器具メーカーのスポーツ部門のブランドです。
国内企業ということもあり、日本人の足を多く研究していることが考えられるために他国メーカーと比べると信頼をおけます。
フットクラフトシリーズは、足の自然な動き(ウィンドラス現象)の仕組みを用いた設計による疲労軽減やパフォーマンス向上を謳っており、以下の3つのタイプがあります。
1. スタンダードタイプ
2. クッションタイプ:スタンダードタイプを基本構造とし、かかとの部分にクッション素材を採用
3. グリップタイプ:スタンダードタイプを基本構造とし、インソールの表面(足裏の着地面)を滑りにくくした素材を採用
また、アーチタイプ(土踏まずのサポートの高さ)もLOW、MIDDLE、HIGHの3種類が選べます。
ウォーキングやランニングであれば衝撃吸収に優れたクッションタイプ、テニスやバスケなどの機動的なスポーツであればグリップタイプが最適です。
普段履きなどスポーツ以外のシーンでの使用を考えているのであれば、スタンダードタイプのMIDDLEから試すのが良いと思われます。
ソフソール エアーセレクト
ソフソールはアメリカの大手スポーツソールメーカーのインパルス社の製品ブランドです。
低価格のモデルから高機能モデルまでラインナップが充実しています。
このエアーセレクトは、日常生活以外にスポーツ全般にも幅広く使えるオールラウンドモデルです。
軽量でありながら負担軽減と安定性を重視したモデルで、かかと部分に衝撃吸収ジェルが備えられているのが特徴的です。
また、軽量で蒸れにくい素材が使われているので快適性も高いです。
ウォーキングやジョギングなどで利用してみると普段履いている既成のインソールとの違いがはっきりとわかるインソールです。
シダス マックスプロテクト・ウォーク
シダスはフランスの高機能スポーツインソールメーカーです。
このマックスプロテクトシリーズは、日本法人がフランス本国のチームととも開発した日本オリジナルモデルで、日本人の足に合うようにアーチの高さが調整されています。
インソールのベース素材には、医療分野で使われる「衝撃吸収」+「反発」の基本素材を用いており、足裏の負担を軽減しています。
土踏まず部分にはアーチを支える補強パーツ素材、かかと部分にはジェル素材が採用されており、日常使いからウォーキングや立ち仕事まで最適に使えます。
基本構造は同じとして、土踏まず部分の補強パーツ素材が省略されたシンプル設計のマックスプロテクト・フィールや、前足部に衝撃吸収&反発素材が追加搭載されたマックスプロテクト・ランも展開されています。
ソルボ ランニング
ソルボは運動靴を作る日本のアキレスの子会社である三進興産が開発・販売するインソールブランドです。
ザムストと同様に国内企業のために、基本的に日本人の足を研究していることが想像できるために安心感は高いです。
ソルボの中でも代表的で人気の高いインソールはソルボランニングで、ジョギングやランニングを趣味としてしている方に最適なモデルです。
かかと部分には衝撃吸収性と圧力分散性に優れるソルボセインと呼ばれる素材が使われています。
また、インソールの表面はランニング用に開発された高密度のパイル生地が使用されており、足底マメのトラブルを軽減します。
厚みがあるので重さが気になる人には気になるかもしれませんが、上記に紹介した3社のインソールと比べると割安となるので、高機能インソールがどんなものか気軽に試してみたい方にはちょうど良い価格帯です。
また、ランニング用途以外にも、ウォーキング専用やアスリート専用など様々なタイプが展開されています。
インソールを利用する際の注意点
機能性の良いインソールを期待して利用する場合、いくつか注意点があります。
足に合った靴にインソールを利用する
インソールは足の実寸ではなく、シューズのサイズ表記に合ったものを選ぶのが基本ですが、さらに前提として、履く靴は、自分の足のサイズに合ったものを履くことが大事です。
足に合っていない靴にインソールを入れたとしても、その効果は限定的になってしまう可能性があり、インソールを入れる意味がなくなってしまう場合もあります。
靴紐を結び直すのが面倒だからと緩めに靴を履いてしまうのではなく、インソールを入れる靴は、靴紐をしっかりと結び、足と靴を密着させて履くようにしましょう。
インソールが合わない場合
インソールを入れている靴の紐をしっかりと結び、足と靴とを密着させて履いているものの、高機能インソールを使用してもあまり効果が感じられなかったり、例えば痛くなってしまうような場合は、インソール自体が足に合っていない可能性が高いです。
インソールの特徴である、安定性(アーチサポート、バランスサポート)、クッション性、反発性などの有無で使用感は大きく違ってくるので、自分に合うインソールを探すうえでは、違ったタイプの特徴を持つインソールもいくつか試してみることが大切です。
耐久性や買い換えタイミング
インソールには様々な効果が期待できますが、新品の状態から使い込んでいくにつれて、徐々にその効果は薄れていきます。
そもそもの製品自体の素材や作り、また、利用者の用途や使用頻度によって買い換えるタイミングは変わってきますので、耐久性について「これ」といった明確な期間は言えません。
ただ、目安としては、クッション自体がヘタって薄くなってきたり、インソールの裏面にヒビ割れが出てきたら、それは買い換えタイミングです。
まとめ
高機能インソールの効果や選び方のポイントとともにおすすめを詳しく紹介してきました。
インソールを履くことで疲労軽減や運動パフォーマンスの向上に活かせます。
たくさん種類があってどれも同じように見えるインソールですが、それぞれ機能や効果が異なります。
目的や用途をあらかじめきちんとイメージしたうえで自分自身に合ったインソールを選びましょう。