苦い野菜の代表格といえば、ピーマンとゴーヤですよね。
旬を迎える7月、スーパーでも安い値段でこれらの野菜を購入できることでしょう。
家庭での栽培が比較的容易であり、一度に大量に収穫できることもピーマンやゴーヤの特徴です。
ご近所さんや親戚から、袋いっぱいに詰め込まれたピーマンやゴーヤを譲ってもらった、という経験がある方もいらっしゃるかもしれませんね。
苦味が強く、育てやすい緑黄色野菜であるピーマンとゴーヤですが、栄養面で優れた共通点をいくつか持っています。
旬の野菜は旬の時期に食べるべき。苦い野菜を暑い夏に食べることには様々なメリットがあるのです。
この記事では、7月頃に旬を迎えるピーマンとゴーヤについて、栄養面での特徴や期待できる健康効果を紹介します。
また、ピーマンとゴーヤの栄養素を効率よく摂るための、簡単なレシピも紹介しています。
これらの野菜の消費に困っているという場合には、是非参考にしてみてくださいね。
ピーマンとゴーヤに共通する栄養素
ピーマンはナス科であり、ゴーヤはウリ科の植物です。
成り立ちから異なる二つの野菜ですが、実は健康効果という面で見ると、いくつかの共通点があるのです。
βカロテン
同じ緑黄色野菜であるピーマンとゴーヤには、βカロテンが豊富に含まれています。
βカロテンは体内でビタミンAの元になる成分です。ビタミンAは免疫力を高めたり、目や皮膚の健康を保ったりする働きがあります。
強い冷房や冷たい食事により体が冷えると免疫力も低下し、風邪を引きやすくなります。
体調を整えて免疫機能を維持するため、緑黄色野菜からβカロテンを十分に摂取しましょう。
また、βカロテンは「抗酸化物質」としても機能し、体内の活性酸素を除去する働きを持っています。
乱れた食生活や睡眠不足、激しい運動などにより過剰に発生する活性酸素は、蓄積すると酸化ストレスとして血管や体の組織を傷付けてしまいます。
βカロテンが老化や病気の原因となる活性酸素を除去することで、ピーマンやゴーヤには老化や病気を防止する効果が期待できるのです。
ビタミンC
ピーマンやゴーヤにはビタミンCも豊富に含まれています。ビタミンCはβカロテンと同じく、抗酸化物質として機能します。
疲労や老化を引き起こす活性酸素を除去することで、血管を若々しく保ったり、疲労を改善したりする効果が期待できます。
また、ビタミンCには皮膚のメラニン色素の生成を抑える作用もあり、日焼けやしみ、そばかすなどを防ぐように働きます。
紫外線がより強くなる夏には、肌を若々しく保つため、特に意識して摂取したい栄養素ですね。
ピーマンとゴーヤ、それぞれの苦味成分について解説
ピーマンもゴーヤも苦い野菜ですが、それぞれ異なる成分によってこの苦味はもたらされています。
以下ではそれぞれの野菜の苦味成分と、その成分がもたらす健康効果について解説しましょう。
ピーマンの苦味成分「ピラジン」は血液をサラサラに!
ピーマンの苦味と独特の青臭さは、ピラジンという成分によるものです。
このピラジンには血栓が出来るのを防ぐ働きがあり、血液をサラサラにする効果が期待できます。
動脈硬化の予防に繋がるのはもちろんのこと、血行促進により冷え性も改善しやすくなります。
エアコンの強く効いた屋内では手足を冷やしやすく、夏場でも冷え性に悩まされることも。
ピーマンを取り入れることで血流を改善し、涼しすぎる空調に負けない体を作りましょう。
ゴーヤの苦味成分「モモルデシン」は夏バテ防止に!
ゴーヤの苦味成分はモモルデシンと呼ばれています。このモモルデシンには胃粘膜を保護する効果が確認されています。
夏場は冷たいものを食べる機会が多いため、胃腸に負担がかかりがち。モモルデシンの効果により、胃腸を元気に保つことができます。
また、モモルデシンには食欲を増進させる効果もあります。夏バテ気味の時にゴーヤ料理を食べると、食欲が改善され、十分なエネルギー補給を行いやすくなります。
胃腸への負担を軽減し、夏バテ防止に役立つ食欲増進効果を持つゴーヤを食べて、熱い夏を乗り切りましょう。
苦味成分は種やわたに豊富
ピーマンのピラジンも、ゴーヤもモモルデシンも、実の部分以上に、種やわたの部分に豊富な成分です。
もし種やわたを食べることに抵抗がなければ、種やわたごとの調理に挑戦してみましょう。苦味野菜の効果を最大限に得られるため、病気や老化、夏バテの防止により役立ちます。
もちろん、種やわたごと調理すれば苦味はより強くなります。苦味を抑えた状態で食べたい場合には、ピーマンやゴーヤのわたをしっかり取り除くことが重要です。
何よりも大事なのは、美味しく食べられること。美味しいと感じられる苦味の範囲で調理を工夫し、ピーマンやゴーヤを食べてみましょう。
簡単レシピ紹介!調理のポイントは「油を使う」こと!
ピーマンやゴーヤを食べる際には、油を使って炒めたり揚げたりすることをおすすめします。
水溶性であるピラジンやモモルデシンを油でコーティングすることで、苦味が和らぎ食べやすくなるのです。
また、ピーマンやゴーヤに含まれるβカロテンは、油を使って調理すると吸収率が上がります。
また、ピーマンやゴーヤのビタミンCは熱に強いという特徴があるため、加熱しても失われにくく、効率よく摂取できます。
以下ではピーマンやゴーヤをたくさん食べられる、簡単なレシピを紹介します。
どちらも油を使った料理であるため、栄養素を効率よく摂取できます。是非ご活用ください。
ピーマンのおかか和え
主な材料
ピーマン 5個
鰹節 小袋1パック
酒 大さじ1
砂糖 小さじ2
醤油 大さじ1
みりん 大さじ1
ごま油 大さじ1
ごま油と鰹節で香り良く仕上げた副菜です。
千切りにしたピーマンにごま油を軽く絡めてから、酒、砂糖、醤油、みりんを加えて、汁気がなくなるまで炒めましょう。
鰹節は加えて混ぜても良いですし、盛り付けの際に上からパラパラと振りかけても香ばしい味わいになります。
じっくり炒めることでピーマンのかさが減り、大量に消費できます。
一度に大量のピーマンを収穫した、譲り受けたという機会があれば、是非作ってみてください。
ゴーヤの唐揚げ
主な材料
ゴーヤ 1本
醤油 大さじ1
酒 大さじ1
生姜 小さじ1/2
片栗粉 大さじ1
油 適量
ゴーヤは種とわたを取って5mm幅に切り、醤油と酒と生姜を混ぜた調味液に20分ほど漬け込んでおきましょう。
片栗粉をまぶして180度の油で揚げれば完成です。
お好みでゴマをまぶしたり、カレー粉で味付けをしたりしても良いでしょう。
片栗粉を小麦粉と卵に変え、一緒にとうもろこしを揚げると、お子様にも食べやすい夏野菜のかき揚げに仕上がります。
お好みのアレンジで、美味しく食べてみてください。
苦味を味わって元気な夏を!
ピーマンとゴーヤには、豊富なビタミン類だけでなく、嬉しい健康効果をもたらす苦味成分が含まれています。
苦味を美味しく味わって、夏バテ防止や冷え性改善に役立ててみましょう。