春にはさまざまな山菜が育ち、食べごろを迎えます。
春の味覚は、旬の時期を逃さず堪能したいものですよね。
今回は春の味覚のなかでも、一般家庭に取り入れやすい野菜、たけのこについて解説します。

アクを抜くひと手間が必要ですが、コリコリとした食感が楽しく、子どもから大人まで食べやすい山菜です。
たけのこについて詳しく知りたい方や、おすすめの調理法について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
たけのこってどんな食べ物?
たけのこという食べ物は知っていても、どのように育っているのか、竹とは何が違うのか、詳しく知らない方も多いかもしれませんね。
まずはたけのこの概要について簡単に説明します。
春先に採れる山菜

たけのこは文字通り、成長しきる前の竹を収穫して食べるものです。
地下茎から芽を出し、あっという間に竹へと育ちます。
収穫に適したタイミングは限られており、食べごろを逃すと竹として成長して、食べるには硬くなりすぎてしまいます。
日本では福岡県や鹿児島県、熊本県などの九州地方を中心に収穫が盛んなほか、京都府でも多く生産されているようですね。
急成長の秘密

竹が急速に成長し、収穫のタイミングを逃すとあっという間に竹として成長しすぎてしまうことで知られています。
なぜ、このような急成長が起こるのでしょうか。
一般的な植物には、根や茎の先に成長点と呼ばれる、細胞が分裂して成長するポイントがあります。
この成長点が、竹は先のみならず各節にすべて存在しています。縦に積み重ねたブロックひとつひとつが大きくなるイメージですね。
たとえば節が40ある竹では成長点も40。
もし成長点につき1日1cm成長する場合、成長点が茎の先にしかない植物では成長は1日1cmです。
しかし成長点が40ある竹では1日に40cmも成長することになります。
たけのこの急成長の秘密は、節ごとにある豊富な成長点にあるようですね。
たけのこに含まれる栄養素は?

たけのこは野菜のなかでも比較的低カロリーであり、ダイエット中の方や生活習慣病予防への意識が高い方に、とくにおすすめしたい食品です。
とくに食物繊維やカリウムの摂取源として、たけのこは重宝するでしょう。
ここからはたけのこから効率よく摂れる栄養素について解説します。
食物繊維
健康志向の高まりにより、積極的に摂るべきとされている食物繊維。
生のたけのこからは100gあたり2.8gの食物繊維を摂取できます。
とくに不溶性食物繊維が多く、100gあたり2.5g含まれています。

水溶性食物繊維は100gあたり0.3gのため、たけのこは不溶性食物繊維の摂取に特化した野菜といえそうですね。
不溶性食物繊維は水に溶けず、水を吸って膨らみ便のかさを増すように働きます。
便のかさが増えれば腸のぜん動運動が促され、排便がよりスムーズに。
毎朝の排便リズムを整えたい方や、便秘に悩んでいる方に、食物繊維が豊富なたけのこは役立つかもしれません。
カリウム

たけのこからはカリウムも多めに摂取できます。
生のたけのこ100gあたり、520mgのカリウムを摂取できます。
茹で調理により470mgまで減少するものの、依然として豊富に含まれていることが分かりますね。
カリウムはナトリウムと並び、私たちの体の体液量を調節するミネラルとして知られています。
現代では濃い味付けの料理を食べる機会が多く、ナトリウムの摂取量が増えやすい傾向にあります。
ナトリウムは体内へ水分を溜め込むように働くため、ナトリウムを摂りすぎる状況が続くと、むくみや高血圧のリスクが高まる可能性も。
一方、カリウムは体内の余分なナトリウムを、水分とともに体外へ排出するように働きかける作用があることで知られています。
ナトリウムの摂りすぎが気になる方は、ぜひたけのこから美味しくカリウムを摂ってみましょう。
たけのこの食べ方は?
ここからは旬の時期のたけのこを、おいしく食べる方法について解説します。
アク抜きと下茹ででさっぱり食べやすく

新鮮なたけのこが手に入ったら、なるべく早くアク抜きを済ませましょう。
下処理を早めにおこなうことで、鮮度の高い、おいしい状態を保ちやすくなります。
たけのこの外皮を取ってから鍋に入れ、たけのこが完全にかぶる量の水を加えましょう。
米のとぎ汁を用いると、より効率的にアク抜きができます。
米ぬかを加える方法もおすすめです。
落とし蓋をして、沸騰させます。
下茹で時間は三十分が目安ですが、たけのこの大きさや切り方により多少前後するでしょう。
竹串などで硬さを見ながら、スッと入るようになった段階で火を止めましょう。
加熱をやめたら常温で4~5時間放置して、ゆっくりとアクを抜きます。
水洗いを済ませて、水を張った容器に入れて冷蔵庫で保存しましょう。
濃い味の炒め物や煮込み料理がおすすめ

たけのこは、ニンジンやカブのようなほかの野菜と比べると味が染み込みにくい性質です。
濃い味付けで炒めたり、長時間煮込んだりすることで、味がはっきり分かるよう調理しましょう。
炒め物にする場合には、調味料が絡みやすいよう、薄切りのたけのこを用いる方法がおすすめです。
油揚げや豚肉のような脂質の多い食材と組み合わせると、調味料が長く舌の上に残るため、味をよりはっきりと感じやすくくなるでしょう。
煮物は煮物は加熱を終えてから冷ます時間を十分に取ることで、より味を染み込ませることができます。
煮込んですぐのものを出すのではなく、余裕をもった事前調理で、おいしくたけのこを食べましょう。
春のやわらかいたけのこをさまざまな料理で堪能しよう!

成長が早く、すぐ竹になってしまうたけのこ。
収穫したてのものをおいしく食べられる時期は限られています。
国内で流通しているたけのこの旬は3月から5月。
ぜひこの時期ならではの、やわらかさとシャキシャキ感とを同時に楽しめるたけのこを味わってみましょう。
<参考文献>
農林水産省|身近で不思議なタケの生態に迫る!
農林水産省|これからが旬!たけのこで「春」を感じよう