JouleLifeヘルスコーチ、管理栄養士の山本奈津子です。
新型コロナウイルスが猛威を振るっており、心配な毎日です。
ウイルスや細菌から身を守るため、細菌とウイルスの違いや、主な食中毒についてこの機会におさらいしましょう。
ウイルスと細菌は違う
それ自体が単細胞生物の細菌は、生きた細胞がなくても食材内で自分の力で増殖して食中毒を引き起こします。
一方で、ウイルスは細胞を持たず単独では増殖できませんが細菌の50分の1程度ととても小さく、他の生きた細胞に入り込んで増殖します。
また、ウイルスによっては、元々汚染された食品経由のほか、感染者の調理中に手指を介して食品が汚染され、食品媒介感染(食中毒)を引き起こします。
感染経路と食中毒の関係
O157(腸管出血性大腸菌)
動物の腸内にすむO157は感染力が強く、汚染された食品や水の飲食での一次感染と感染者の手指を介して調理器具や食品が汚染される二次感染があります。
牛レバー刺し、井戸水によることが多いですが、それ以外でも、国内では牛肉、ハンバーグ、牛角切りステーキ、牛タタキ、ローストビーフ、シカ肉、サラダ、貝割れ大根、キャベツ、メロン、白菜漬け、日本そば、シーフードソースなど様々な食品や食材が感染原因食品として特定あるいは推定されているため、食品の加熱など衛生的な取り扱いが大切です。
O157は75℃で1分以上の加熱で死滅します。野菜の除菌では湯がき(100℃の湯で5秒程度)が有効であるとされています。
サルモネラ菌
汚染された肉や卵(加工品を含む)からの一次感染とペットからヒトの手指を介して調理器具や食品が汚染される二次感染があります。
一次感染では、特に、牛レバー刺し、鶏肉、卵、うなぎ、スッポンに注意が必要です。
感染予防としては、肉や卵は十分に加熱(75℃で1分以上)、ひび割れた卵は使わない、食肉や卵を取り扱った手指や調理器具はそのつど洗浄消毒することがポイントとなります。
ノロウイルス
汚染された食品(カキ等の二枚買貝に多い)からの一次感染と感染者の手指を介して調理器具や食品が汚染される二次感染に加え、インフルエンザと同様に飛沫感染や接触感染があります。
感染予防としては、二枚貝などの食品は十分に加熱(85℃で1分以上)、調理器具は次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度200ppm)や85℃以上1分以上の加熱で消毒することがポイントとなります。
インフルエンザや新型コロナウイルスの感染経路
インフルエンザウイルスはノロウイルスと異なり感染者の手指を介した食品汚染による感染リスク相対的に低く、飛沫感染と接触感染が主な感染経路となります。
新型コロナウイルスについても現時点ではインフルエンザウイルスと同様に飛沫感染と接触感染(電車やバスの吊り革、ドアノブ、エスカレーターの手すり、スイッチなど)が主な感染経路とされています。
感染予防としては、インフルエンザ、新型コロナウイルスともに、石けんによる手洗いやうがい、手指消毒用アルコールによる消毒などを行い、できる限り混雑した場所を避けて十分な睡眠をとることが推奨されています。
新鮮なものを食べること。加熱して食べること。調理場や冷蔵庫などを衛生的に保つこと。手洗い、うがい、手指のアルコール消毒と十分な睡眠。
こんな時期だからこそ見直してみるのも良いですね。