本記事では、体組成計で測定可能な筋肉量について、筋肉量の概要、筋肉を維持するためのポイント、体組成計の筋肉量測定の仕組み、また、体組成計の測定項目と最新の測定技術を解説しています。
また、筋肉量測定が可能なおすすめの体組成計もあわせてご紹介します。
筋肉量測定は必要か?
筋肉量の測定はなぜ必要なのでしょうか。
筋肉量の計測の必要性と筋肉量を知ることのメリット、質の高い筋肉を得るための栄養補給のポイントをお教えします。体組成計の使用を開始する前に一度確認しておきましょう。
筋肉量とは
筋肉量とは、自身の体についている筋肉組織の重さのことです。筋肉は、内臓や血管などの平滑筋と、足や腕などの筋肉の骨格筋、心臓を構築している心筋の3種類に分けられます。
体組成計の筋肉量測定の数値は、それらの筋肉の重さの合計値が表示されます。
筋肉量と骨格筋量の違い
筋肉は、自身の体についている筋肉組織の重さのことで、心臓を構築している心筋、内臓や血管などの平滑筋、足や腕などの筋肉の骨格筋の3種類に分けられます。
ですので、通常、筋肉量はそれら3種類を指す一方で、骨格筋量は足や腕などの一部の筋肉量だけを指しています。
一般的な体組成計で測定できる筋肉量
同じように、一般的な体組成計で測定できる筋肉量は、心筋と平滑筋と骨格筋などから成る「全ての筋肉組織の重さ」となり、一般的な足や腕などの筋肉だけでなく内臓や血管なども含んだ総筋肉量を算出表記しています。
これは、タニタなどの体組成計やInbodyなどの業務用体組成計で算出表記されるものと同じです。
骨格筋量が筋肉量として定義されることも
一部の体組成計などでは、この総筋肉量とは別に、骨格筋量や骨格筋率のことを「筋肉量」や「筋肉率」と表記するものもあり、この数値と上記の総筋肉量とを比べてしまっている場合には、大きな差異がある可能性が高いと考えます。
体組成計で筋肉量を確認する際のその他注意点
たとえ「総筋肉量」と「骨格筋量」を取り違えていない場合でも、異なるメーカーや同一メーカーであっても他機種と比較した際に、体組成計の機種によって測定法、指標の算出式、また、指標の定義そのものが同一ではないことが多々あります。
また、個人の体質や測定タイミング(運動直後や食事直後、入浴直後など)で、測定値にはどうしてもバラツキが生じてしまいます。
それゆえ、体組成数値の絶対値にはバラツキがあることを踏まえたうえで、測定値の「推移」「変化値」に注目いただくことをお勧めしています。
筋肉量測定はダイエットに有効
体組成計を使用して筋肉量を知ることで、ダイエットに活用できます。
健康的な減量を行うためには、体重に対する脂肪量を表す体脂肪率を落として筋肉量を上げる必要があります。
そのため、筋肉量の測定はダイエットを行う際に重要な数値となります。さらに、筋肉量が増えることで基礎代謝量が上がり、太りにくい体を作ることが可能となります。
健康的なダイエットを行うには、体の脂肪量を減らすことが非常に大切で、体脂肪率を確認することが大切になりますが、体脂肪率だけに注目しないように注意する必要があります。
筋肉量の平均は性別や年齢によって数字が異なるため、自身の該当する性別や年齢に合わせて平均値を確認しておきましょう。
筋肉量測定が可能なおすすめの体組成計
筋肉量の測定が可能な人気&おすすめの体組成計を5種類ご紹介します。
自身の筋肉量を知って、健康管理やダイエット、トレーニングの際に体組成計を活用していきたい方は、以下の情報を参考にして最適な体組成計選びを行っていきましょう。
JouleLife(ジュールライフ):JL-103
項目 | 対応 |
スマホ連携 | ○(Bluetooth連携) |
価格 | 3,960円(税込) |
測定項目数 | 9項目 |
登録人数 | 無制限 |
最大測定重量 | 150kg |
人気ダイエットアプリを開発運営する国内企業がプロデュースするオリジナル体組成計です。
特許技術を持つアプリ機能が充実しており、75.1%(4人中3人以上)がダイエットに成功している実績を公表しています。
10年近くヘルスケアサービスを提供する国内企業で、有名大学教授も監修しているので、タニタやオムロンと同様に安心感が持てます。
2024年6月中頃からは自社サイトでの販売からAmazonサイトでの販売に切り替えています。
(自社サイトでは、前モデルJL-102の認定整備済製品も不定期で販売されています。)
TANITA(タニタ):innerscanDUAL RD-915L/RD-917L
項目 | 対応 |
スマホ連携 | ○(Bluetooth連携) |
価格 | 26,784円(税込) |
測定項目数 | 11項目 |
登録人数 | 4人 |
最大測定重量 | 180kg |
TANITA(タニタ)のinnerscanDUAL RD-915L/RD-917Lの特徴は、測定項目数と対応アプリのラインナップです。
innerscanDUAL RD-915L/RD-917Lでは、基本の8項目に加えて筋肉点数と体内年齢を測定することができます。筋肉点数とは、筋肉の状態をレベル化したものであり、筋肉量だけでなく筋肉の質も測定できる項目です。
最先端テクノロジー「TANITA 4C Technology」を搭載することで、体格や体形等による誤差を解消し、高精度分析を実現しています。
(体組成計本体の測定表示の一部が簡略化されたリーズナブル版の innerscanDUAL RD-914L/RD-916L もあわせておすすめです。)
※RD-915LとRD-917Lは型番が違いますが、販売店(販路)が違うだけの同じ機能の機種です。同様にRD-914LとRD-916Lも同じ機能の機種です。
OMRON(オムロン):HBF-230T
項目 | 対応 |
スマホ連携 | ○(Bluetooth連携) |
価格 | 10,886円(税込) |
測定項目数 | 7項目 |
登録人数 | 4人 |
最大測定重量 | 135kg |
OMRON(オムロン)のHBF-230Tの特徴は、スタイリッシュな薄型設計と子どもアルゴリズムです。
HBF-230Tのデザインは、薄型かつスタイリッシュなデザインとなっています。そのため、狭いスペースに収納でき、部屋のデザインやインテリアの邪魔になりません。
また、子どもアルゴリズムが搭載されていることも特徴です。子どもアルゴリズムとは、子どもの体に応じた計測アルゴリズムであり、6歳から測定可能です。子どもの肥満予防として、使えます。
Anker Eufy Smart Scale P2 Pro
項目 | 対応 |
スマホ連携 | ○(Bluetooth連携 / Wi-Fi連携) |
価格 | 6,990円 |
測定項目数 | 16項目 |
登録人数 | 無制限 |
最大測定重量 | 150kg |
Eufy Smart Scale P2 Proは、モバイルバッテリーとして有名なAnkerが提供するの体組成計で、BluetoothだけではなくWi-Fiでも連携できます。また、multifunと同様、赤ちゃんやペットのモード設定ができます。
特徴としては、測定テープ(メジャー)が付属されており、測定データから体型アバターを作成することができ、自分の体型を3Dモデルで客観視することができます。
Anker自体は中国メーカーですが、Anker Japanとして日本法人がしっかりサポートしており、保証も充実しています。
(機能を簡略化したリーズナブル版の Anker Eufy Smart Scale C1 もあわせておすすめです。こちらのモデルも楽天市場でも提供されています。)
FiNC SmartScale
項目 | 対応 |
スマホ連携 | ○(Bluetooth連携) |
価格 | 3,480円 |
測定項目数 | 11項目 |
登録人数 | 無制限 |
最大測定重量 | 180kg |
FiNC SmartScaleの特徴は、人気ダイエットアプリ FiNCアプリとの連動です。
FiNCアプリは900万ダウンロードを超える国内無料アプリで体重や体脂肪だけでなく食事や歩数などをまとめて管理できます。
日本国内のITベンチャー企業が運営しているため保証やサポートも安心です。
たくさんあって迷った時のイチオシはこれ!
上記でも紹介しましたが、イチオシのおすすめはズバリJouleLife(ジュールライフ)の体組成計です。
- 国内ヘルスケア企業という安心感
- 有名大学教授が監修に参加
- 3,960円なので気軽に使える
- 特許取得アプリに気が利く機能が充実
- 登録人数が無制限なので家族で使える
- 各種メディアでの紹介実績有り
ダイエットや健康管理を目的に体組成計を使ってみようと考えたのであれば、このJL-103で始めるのが一番安心で間違いがありません。
筋肉量測定にあたってのポイント
ここからは、健康的でいるために非常に重要な筋肉量を高く保つために覚えておきたいポイントをご紹介します。
筋肉量を維持するための栄養補給のポイント
筋肉量に着目することで、ダイエットや健康管理を行う際に健康的な減量や病気の予防に繋げられます。以下のポイントを理解して、効率的なダイエットや健康管理を行う場合に活かしていきましょう。
食事からタンパク質を摂取する
筋肉量を保つためには、食事を通じてタンパク質を吸収することが大切です。
筋肉を作る材料としての役割があるタンパク質ですが、人間の体は一度に大量のタンパク質を筋肉に変換できません。そのため、一度に大量に摂取するのではなく、1日の中で複数回に分けて摂取することで筋肉以外の構成要素として効率的に機能します。
食事で摂ったタンパク質は必ずすべて筋肉になるわけではなく、皮膚や臓器、細胞など人体の多くの部分を構成し、常に一定量が必要とされています。そのため、継続的にタンパク質を摂取することが大切です。
しっかり噛んで、消化酵素を分泌させる
筋肉を維持するためのポイント2点目は、食べ物をしっかり噛んで、消化酵素の分泌を促すことです。
よく噛むことで唾液が多く分泌され、噛むことがサインとなって、胃や小腸でタンパク質を分解する酵素の分泌が始まります。酵素の分泌が活発になることで、消化吸収をスムーズに行えるため、食事の際にはよく噛むことが大切です。
動物性タンパク質と植物性タンパク質を組み合わせる
肉や魚など動物から摂ることができる動物性タンパク質と、植物に含まれる植物性タンパク質の2種類をバランス良く摂取することで、脂質などの摂取過剰を防げます。
体組成計で正確性の高い筋肉量測定を行うポイント
次に、体組成計を使用して筋肉量を計測する際に、できるだけ正確な数値を知るためのポイントを解説します。体組成計の測定結果は、体組成計自体や、測定者の状況の違いで数値が大きく変動する可能性があります。
以下のポイントを理解した上で、正確性の高い体組成数値を得られるようにしましょう。
素足で計測する
体組成計の上に乗る際には、素足の状態で計測を行うことが大切です。
体組成計の多くは、体内に微弱な電流を流して脂肪と筋肉の電流の流れやすさの違いから体組成の測定が行われています。電流は体組成計の電極を通じて流されますが、その際に靴下などを履いていることで正確な数値を算出できない可能性があります。また、足裏が極度に乾燥している場合にも電流が不安定になり正確な数値を算出できないことがあります。その際は足裏をウエットティッシュなどで軽く拭いて測定しましょう。
入浴前の測定がベスト
体組成計を使用して体組成測定を行う際には、測定のタイミングが重要になります。
体組成計で採用されている生体インピーダンス法では、体水分量の変動によって体組成の測定結果が大きく左右されます。そのため、体内の水分量が大きく変化する、運動後や入浴後は避けて測定することが大切です。これは、運動や入浴によって体温が上がり、体内の動きが活発になることで発汗などによって体水分量が大きく変化するためです。
さらに、素足で測定を行うこと、体重は衣服を着用していない状態の方が正確な数値を計測できることなどから、入浴前の計測が最適と言われています。入浴前は、直前に食事をしている可能性が低く体が落ち着いている状態であることから、計測を行うベストなタイミングと言えます。
水平な場所で測定する
正確性の高い測定結果を得るためのポイントの3点目として、体組成計を水平な場所に置いて計測することがあります。
体組成計は電流を流す際に様々な周波数を使用しているものなどがあり、様々な要因に影響を受けて測定結果が変動する可能性があります。そのため、体組成計を柔らかいクッションや絨毯の上に置いて計測を行うのではなく、硬い安定した水平な場所で測定することが大切です。
体組成計の筋肉量測定結果は変動する可能性がある
生体インピーダンス法による正確性の高い体組成測定が家庭でも可能となりましたが、体組成測定の結果は変動する可能性があります。以下に、体組成計による測定結果が変動する要因を解説します。
体水分量の変化
生体インピーダンス法は体内に微弱の電流を流して、筋肉や脂肪の電気抵抗の違いから体組成測定が行われる仕組みです。そのため、測定者の体水分量の変動に影響されて体組成数値が異なる場合があります。
体水分量の変化は、例えば運動後や入浴後といったタイミングで発汗などによって生じます。
体温の変化
体組成計の測定結果は、体温が変化することで体水分量が増減し、測定結果に影響する可能性があります。
上述の通り、運動の場合には活動が活発になることで体温が上がり、発汗によって体水分量が減少します。体水分量が少なくなることで、体内を電流が通りにくくなり、本来よりも筋肉量が少なく計測される可能性があります。
精度の高い筋肉量測定技術
高精度な筋肉量測定ができる測定技術をご紹介します。以下の4種類の機能が搭載されている体組成計もありますので、気になるものがあれば搭載されている体組成計を確認してみましょう。
筋質測定
体組成計の機種によっては、筋肉量だけでなく筋肉の質を計測できる、「筋質測定」が可能なものがあります。
筋肉は加齢や運動習慣によって状態が変化します。しかし、筋肉量だけではこのような筋肉の状態を測定できません。そのため、筋肉の質の計測が可能になることで、自身の体の筋肉が実際に使える質の高い筋肉かどうかを知ることができます。
左右部位別測定
体組成計には、左右部位別測定が可能なものがあります。
左右部位別測定とは、右脚・左脚といった、両腕・両脚・体幹といった全身以外に体の部位別に体組成測定が可能な機能のことです。さらに、機種によっては上述の筋質測定が部位別に可能なものもあり、全身の筋肉バランスを知る際の便利です。また、トレーニングを行う際にどこの筋肉を特に鍛えるべきなのかが分かります。
体型判断
体組成計では、測定結果をもとに測定者の体型が肥満寄りなのか、痩せ気味なのかを判定してくれる機能が搭載されているものがあります。
例えば、TANITA(タニタ)では筋肉量と体脂肪率の測定結果をもとに、体型判定が行われることとなります。筋肉量と体脂肪率の測定結果の両方が標準である場合に、体型判定は「標準」となります。食事管理やトレーニングを行う際の目安として参考にできます。
MBA判定
体組成計の最新技術として、測定者の筋肉がどのくらいアスリートの筋肉に近いかを判定できる機能があります。
これは、「MBA判定」と言われ、1,000人を超えるアスリートの体組成データをもとに、筋線維の電気性質や細胞組織のバランス、部位別の筋肉バランスなどを考慮して判定されます。アスリートは筋肉量が一般人よりも多く、筋肉の特性も異なります。このようなアスリートの筋肉の性質をベースにして、測定者の筋肉の質やバランスを知ることができます。
スマホ連携によって自身の筋肉量管理が簡単に
体組成計の機種によっては、体組成計とスマホが連携されることで、体組成を測定するだけで測定結果が自動でスマホに転送され、非常に便利です。
体組成計のディスプレイは小さく、過去の測定結果を長期間に渡って記録しておくことはできません。そのため、体組成計の測定データがスマホに自動転送されることで過去の数値との比較を行って自身の体の小さな変化に気付けます。日常的に体組成測定を行って健康管理やダイエットを行う際に役立てられます。
筋肉量測定が可能な体組成計を使用して、自身の健康管理に活用していきましょう。
体組成計で測定可能な筋肉量について解説しました。筋肉量は基礎代謝量や体脂肪率に影響を与える非常に重要な数値で、自身の筋肉量を知っておくことで、健康管理やダイエットの際に活かせます。
また、体組成計の機種によっては筋肉の質である、「筋質」の測定が可能なものがあり、単純な筋肉量に加えて自身の筋肉が実際に使う際に筋力を発揮できる質の高いものなのかを知ることが可能な機種があります。さらに、スマホから自身の体組成数値の管理が可能なものを使用することで、自身の体の小さな変化に気付け、健康管理の際に便利です。
筋肉量の測定が可能な体組成計を使用して、自身の健康資産の形成に活用していきましょう。