春キャベツは3月から4月にかけて収穫される、柔らかい葉が特徴のキャベツです。
一般的なキャベツとは異なるおいしさがあるため、春キャベツを好んで購入する方も多いのではないでしょうか。
一方で、春キャベツに馴染みのない方は、春キャベツの食べ方に悩んでしまうかもしれませんね。
そこで今回は春キャベツの特徴や、おすすめのレシピについて紹介します。
「春キャベツは冬キャベツと同じように扱っていいの?」
「春キャベツはどんな料理に向いている?」
そんな疑問の解消に、ぜひ本記事をお役立てください。
春キャベツとキャベツの違いは?
春キャベツは、通年で収穫される一般的なキャベツとは品種が異なるものです。
春に収穫されるキャベツを「春キャベツ」と呼ぶわけではない点に注意しましょう。
まずは春キャベツと通常のキャベツの違いについて解説します。
春キャベツはやわらかい葉が特徴
春キャベツをスーパーで手に取ったとき、いつものキャベツよりも軽いな、と感じた方も多いのではないでしょうか。
春キャベツは葉の巻き方がゆるく、みずみずしいやわらかな食感が特徴です。
3~4月初旬にかけて収穫される「新キャベツ」はとくに柔らかく、キャベツ特有の繊維っぽさがほとんど気になりません。
キャベツの硬さや繊維感を苦手としている方でも、春キャベツであれば食べやすいかもしれませんね。
この「巻き」のゆるさがおいしさのポイントになるため、春キャベツを選ぶ際には葉の巻きがゆるく、ふっくらとしたものを選びましょう。
中央の底に見える「芯」の切り口にひび割れや変色がないものが新鮮であるため、購入の際は芯も選ぶポイントとして活用してみてください。
辛味が少なく食べやすいため生食向き
春キャベツは辛味や苦みが少なく、一般的なキャベツよりも甘みを感じやすい味わいです。
一般的なキャベツも、ロールキャベツやポトフなどに加えることで甘さを引き立てられますが、春キャベツは生のままで十分な甘さを楽しめるでしょう。
粗めの細切りにしてサラダにしたり、レタスのように千切ってほかの野菜と和えたりして食べてみましょう。
肉類とも相性がよいため、焼肉をやわらかい葉でくるりと巻いて食べるのもおすすめです。
千切りには向かない
キャベツの生食といえば、トンカツやハンバーグの傍に添えられる「千切り」を思い浮かべるかもしれません。
しかし春キャベツは葉の巻きがゆるいため、スライサーとの相性があまりよくないのです。
実際にスライサーにかけようとすると、春キャベツ全体が崩れ、葉がズレて上手く通すことができません。
葉が詰まっており、全体が崩れにくい通常のキャベツの方がスライサーにかけやすいのです。
葉が詰まっていない春キャベツは、包丁を用いた千切りでも全体が崩れる可能性があります。
包丁が滑って思わぬ怪我をするおそれもあるため十分注意しましょう。
春キャベツをカットする際は、キャベツではなくレタスに似た認識を持つと事故のリスクも少なく安全です。
とくに柔らかい新キャベツであれば、手でも食べやすい大きさまでちぎれるでしょう。
包丁を用いる場合は刃のすべりを防ぐため、ざく切りや粗めの細切り程度に留めておくことをおすすめします。
栄養価にあまり差はない
春キャベツと一般的なキャベツにはこのように多少の違いがあるものの、実は栄養価には大きな差はありません。
春キャベツも一般的なキャベツも淡色野菜ではありますが、春キャベツの方が葉の色が濃い分、緑黄色野菜に豊富なβカロテンがやや多く含まれているようです。
そのほか、ビタミンCやカリウム、ビタミンKに葉酸、食物繊維といった栄養素は、一般的なキャベツとほぼ変わらない感覚で摂取できます。
栄養価の優劣は気にせず、旬のものをおいしくいただきましょう。
キャベツといえば、やはり食物繊維の摂取を期待する方が多いのではないでしょうか。
一般的なキャベツの食物繊維量は100gあたり1.8gです。食物繊維には便秘を解消したり腸内環境を整えたりする効果が期待できます。
キャベツをはじめ、あらゆる野菜から積極的に摂取したいところですね。
春キャベツのおすすめレシピ
春キャベツは通常のキャベツと同じように活用できる食品です。
しかし春キャベツに特徴的な柔らかさと甘さを活かして調理すれば、春キャベツのおいしさをより味わえるでしょう。
春キャベツと相性がよいレシピを今回は3種類紹介します。
柔らかく甘い春キャベツの活用法として、ぜひ参考にしてください。
春キャベツとアサリの酒蒸し
アサリのうま味とキャベツの甘みを同時に楽しめる、シンプルな料理です。
<材料(二人前)>
• 春キャベツ 400g
• アサリ 200g
• 酒 大さじ4
• ニンニクチューブ 小さじ1
• オリーブオイル 大さじ1/2
• 塩コショウ 少々
<作り方>
1. 砂抜きを済ませたアサリと、一口大のざく切りにした春キャベツをフライパンに入れる
2. 酒をフライパンに加えて全体を軽く混ぜ、15分ほど蒸す
3. アサリが開き、熱が十分に通ったことを確認してから、オリーブオイルと塩コショウで味を調える
加熱することで甘さの際立つ食品として、玉ねぎとの相性もよいため加えてみてもよいでしょう。
アサリも春を旬とする食品です。ぜひ春キャベツとあわせて味わいましょう。
春キャベツのコールスロー
柔らかい春キャベツは、コールスローとの相性も抜群です。
<材料(二人前)>
• 春キャベツ 200g
• コーン(水煮・正味量) 50g
• マヨネーズ 大さじ2
• 酢 大さじ1
• オリーブオイル 小さじ1
• 砂糖 小さじ1
• 塩コショウ 少々
<作り方>
1. 春キャベツは粗めの千切りにする
2. 水気を切ったコーンと春キャベツを混ぜ、マヨネーズ、酢、オリーブオイル、砂糖で和える
3. 塩コショウで味を調える
コーンと和えるだけでもおいしくいただけますが、ニンジンやツナ缶を加えるとより鮮やかな副菜として楽しめるでしょう。
春キャベツの花シュウマイ
春キャベツの鮮やかな緑色を活かしたシュウマイです。
シュウマイの皮の代わりに柔らかい春キャベツを使用し、見た目にも楽しい一品に仕上がります。
<材料(二人前)>
• 春キャベツ 300g
• 豚ひき肉 150g
• 玉ねぎ 1/4個
• 片栗粉 大さじ1
• 塩 少々
(調味料)
• 砂糖 大さじ1
• 酒 大さじ1
• 醤油 大さじ1/2
• ごま油 大さじ1
• おろししょうが 小さじ1/2
<作り方>
1. キャベツは粗めの千切りにして、塩を振って揉みこむ
2. 5分ほどおいてから水気を十分に絞り、片栗粉を加えて混ぜる
3. みじん切りにした玉ねぎと豚肉、調味料をすべてボウルに入れて混ぜる
4. 6等分にして丸め、2のキャベツを周りに付ける
5. 蒸し器に水を加え、上段に4をのせて10分程度蒸し焼きにする
シュウマイの具材にはシイタケや玉ねぎなどを加えるとより、ボリュームが増しておいしくいただけます。
その場合は具材が大きくなるため、春キャベツの量を増やしてもよいでしょう。
まとめ:春キャベツだけの格別なやわらかさをたっぷり味わおう
春キャベツには通常のキャベツにはない柔らかさと甘さがあります。
通常のキャベツと同じ感覚で調理してもおいしく食べられますが、できれば柔らかさと甘さを十分に活かした方法で味わいたいところですね。
葉のゆるく巻かれた、芯の綺麗な春キャベツを選び、サラダやコールスローのような生食でまずは楽しみましょう。
加熱調理にすると甘さがより引き立ちます。
ぜひさまざまな料理に加えて、春キャベツの味わいを楽しんでみてくださいね。