おいしい春の貝たち!意外な健康効果とおすすめの食べ方とは?

 

春には旬を迎える貝類が多くあります。

普段貝を食べる習慣がない方でも、スーパーに多くの貝が並ぶ様子を見ると、つい手が伸びてしまうのではないでしょうか。

今回は貝類の魅力や栄養価の特徴、春が旬の貝を使ったおすすめのレシピを紹介します。

貝類に含まれる栄養素を詳しく知りたい方や、貝類のうま味を活かしたレシピを知りたい方は、ぜひ本記事を参考に春の食卓においしい貝類を取り入れてみましょう。

 

 

貝類にはどのような栄養が含まれているのか、あまり知らない方も多いのではないでしょうか。

動物性食品である貝類からは、たんぱく質を始めとした様々な栄養素や機能性成分を摂取できます。

まずは貝類に特徴的な栄養素を確認してみましょう。

 

グルタミン酸やコハク酸で料理をおいしく

貝類にはグルタミン酸やコハク酸が豊富です。

これらは「うま味」を示す成分として知られており、うま味成分が豊富な貝類は料理を味わい深くする名脇役として活躍します。

アサリやシジミの味噌汁には、何とも言えない味わい深さがありますよね。

これは貝類由来のうま味成分によるものです。

料理をよりおいしくするための「ちょい足し食品」として、ぜひ貝類を選んでみましょう。

コハク酸は私たちがエネルギーを生成する際の「クエン酸回路」に関わる栄養素でもあります。

エネルギー代謝を活性化する働きがあるため、血流を改善して肌荒れを防止したり、代謝を高めて脂肪を燃やしやすくしたりする効果も期待できるでしょう。

グルタミン酸はたんぱく質の合成に関わる栄養素でもあります。

脳機能をサポートしたり、有害物質であるアンモニアの解毒をサポートしたりする効果も得られます。

おいしさと健康効果の両方を得られるグルタミン酸やコハク酸を、ぜひ貝類から積極的に摂取しましょう。

 

高たんぱく低脂質でダイエットにも

貝類はたんぱく質が豊富であり、かつ低脂質なダイエット向きの食品です。

カロリーたんぱく質脂質炭水化物
アサリ29kcal5.7g0.7g0.4g
シジミ54kcal7.5g1.4g4.5g
ハマグリ35kcal6.1g0.6g1.8g
つぶ82kcal17.8g0.2g2.3g

貝類100gあたりの栄養素(日本標準食品成分表(八訂)増補2023年より)

一般的な貝類のカロリーや栄養価を確認してみると、つぶ貝を筆頭に、いずれも高たんぱく低脂質であることが分かるでしょう。

たんぱく質や豊富な食品として肉や魚、卵に乳製品などが挙げられます。

しかし牛肉や豚肉は脂質が多く、摂取カロリーが増えやすい特徴があります。

卵や乳製品にも一定の脂質が含まれるため、摂りすぎは好ましくありません。

貝類は少量から食べられ、かつ低脂質であるためカロリーの摂りすぎを気にする必要がありません。

ダイエット中のたんぱく質の供給源として優秀であり、「あと少したんぱく質を摂りたい」というような場合に取り入れやすいでしょう。

さらに貝類には亜鉛やビタミンB群などの微量栄養素も豊富に含まれています。

ダイエット中は食事制限により、ビタミンやミネラルの摂取量も減りがちです。

シジミの味噌汁やアサリの酒蒸しなどを取り入れて、健康的にダイエットを成功させましょう。

 

タウリンの抗疲労効果も嬉しい

貝類に特徴的な機能性成分として「タウリン」の健康効果にも注目してみましょう。

タウリンはアミノ酸の一種であり、血圧をコントロールしたり、肝臓の機能をサポートしたりする効果が期待できます。

また、タウリンには筋肉の疲労の原因となる老廃物の除去を助ける役割があります。

筋肉へのダメージを軽減する効果が期待できるため、疲労の軽減にも役立つと考えられています。

タウリンはエナジードリンクや医薬部外品のドリンクにも含まれることの多い成分です。

貝類からタウリンを自然な形でおいしく摂取し、疲れ知らずの体を目指しましょう。

 

 

貝類には様々な種類があり、スーパーでも手軽に購入できます。

今回は春に旬を迎える貝類の中から、とくにおすすめのものを3種類紹介しましょう。

 

「アサリ」は家庭で食べやすい万能食材

アサリは春と秋に旬を迎える食材です。

比較的安価で購入しやすく、うま味成分を多量に含むアサリは、家庭で食べやすい万能食材と言えるでしょう。

たんぱく質やタウリン、コハク酸などの貝類に特徴的な栄養素に加え、亜鉛や鉄などのミネラルやビタミンB群も効率よく摂取できます。

味噌汁をはじめ、炒め物や蒸し物とも相性のよいアサリを活用して、春の食卓をよりおいしく仕上げましょう。

 

お祝い事の席で食べたい「ハマグリ」

大きな身が特徴的なハマグリは、おせちやひな祭り、結婚式など、お祝い事の席で食べられることの多い食品です。

二枚貝であるハマグリの貝殻は、他のハマグリと合わさることがないと言われています。

二枚の貝がお互いにだけぴったりと合わさる様子から「生涯一人の人と添い遂げるように」という願いが込められているのだとか。

ハマグリはタウリンやたんぱく質、亜鉛の供給源として優秀です。

高価な食品であるため食べる機会はそう多くないかもしれませんが、春先に食べる機会があった際にはぜひおいしくいただきましょう。

 

寿司屋や居酒屋ではぜひ「つぶ貝」の注文を

寿司のネタとして注文しやすい貝類として、つぶ貝が挙げられます。

つぶ貝は貝類の中でも抜群のたんぱく質量を誇ります。

低脂質でありさっぱりとした味わいであるため、ダイエット中の方でもカロリーを気にせず食べられるでしょう。

つぶ貝に特徴的な成分として「ベタイン」が挙げられます。

ベタインはアミノ酸の一種であり、タウリンと似た働きを持ちます。

肝臓の機能をサポートして代謝を高める作用が確認されているため、脂肪をエネルギーとして消費しやすくする効果も期待できるでしょう。

つぶ貝を普段の食卓で食べることはあまりないかもしれませんが、居酒屋でのおつまみや、外食先で食べるお寿司などでは比較的見つけやすいでしょう。

コリコリとしたおいしい食感を、ぜひ旬の春先にたっぷり味わいましょう。

 

 

ここからは、春の貝を使ったおすすめのレシピを紹介します。

アサリやハマグリ、つぶ貝をおいしく食べる方法として、ぜひ参考にしてください。

 

アサリの酒蒸し

<材料(二人分)>

• あさり 400g
• 生姜 10g
• 酒 大さじ4
• 小ネギ  お好みで

<作り方>

1. アサリは3~4%程度の塩水に浸し、冷蔵庫で数時間置いて砂抜きをする

2. アサリを鍋に加え、みじん切りにした生姜と酒を加え、蓋をしてしばらく蒸す

3. アサリがカチカチと鳴り始めたら蓋を取り、アサリの口が完全に開くまで煮る

4. 小口切りにした小ネギを加え、軽く混ぜ合わせてから盛り付ける

 

アサリのうま味を活かしたシンプルな料理です。

ぶなしめじや三つ葉、長ネギとも相性がよいため、加えるとさらにボリュームのある一品に仕上がるでしょう。

 

ハマグリのバター醤油焼き

<材料(二人分)>

• ハマグリ 6個
• ニンニク 1片
• 有塩バター 20g
• 酒 大さじ2
• 醤油 小さじ2
• 小ネギ お好みで

<作り方>

1. ハマグリは3~4%の塩水に浸し、冷蔵庫で数時間置いて砂抜きをする

2. フライパンにバターを入れ、みじん切りにしたニンニクを入れて中火で炒める

3. ニンニクの香りがしてきたらハマグリを並べ、酒を加えて蓋をして蒸す

4. ハマグリが開いたら蓋を取り、醤油を加えてさっと炒める

5. 器に盛り付けて、小口切りにした小ネギを散らせる

 

ハマグリもアサリも、砂抜きの方法は変わりません。

海水程度の塩分濃度に調整したものへ貝を入れ、冷暗所で1~2時間置くと砂を出しやすくなるでしょう。

酒や醤油の代わりに白ワインと塩で味を整えると、洋食にも合うお洒落な一品に仕上がります。

 

つぶ貝の炊き込みご飯

<材料(四人分)>

• 米 2合
• つぶ貝 10~12個
• 塩 適量(ぬめり取りに使用)
• 生姜 20g
(炊き込み用のだし汁)
• 水 400mL
• 酒 大さじ3
• みりん 大さじ3
• 醤油 大さじ3
• 顆粒和風だし 大さじ1

<作り方>

1. 米はあらかじめ洗い、水に30分以上浸水させた上でザルに上げ、水気を切る

2. 炊き込み用のだし汁を鍋に入れて沸騰させ、下処理を済ませたつぶ貝を、みじん切りにした生姜を加えて火を通す

3. 具材と煮汁に分ける

4. 米と炊飯器に入れ、煮汁を2合の目盛りまで注いでから具材を入れる

5. 炊飯後、お好みで小口切りにした小ネギを散らす

<つぶ貝の下処理>

1. 目打ちをつぶ貝の殻の中央に差し込んで、殻の巻きに沿って回して取り出す

2. つぶ貝の蓋とわたを切り落とし、ひもを切り分ける

3. つぶ貝の中を開き、白い唾液腺を取り除いて一口大に切る

4. つぶ貝の身とひもに、塩を加えて揉み込む

5. 洗い流してぬめりを取り、キッチンペーパーで水気を取る

 

つぶ貝は巻貝であり、下処理に工夫が必要です。

身の中にある白い唾液腺は取り除き、ひもと身を食べましょう。

つぶ貝の白く見える部分に包丁で切れ目を入れて、指で押し出すようにすると唾液腺からアブラを抜き出すことができます。

下処理が面倒な場合には、味付けのつぶ貝の缶詰を活用するのもよい方法です。

魚介類は旬のものが缶詰されていることが多いため、栄養価の高い状態のものをより手軽に味わえるでしょう。

味付けがされているものを選べば、煮汁ごと加えることで調味料を省略できるため、炊き込みご飯も簡単に作れます。

 

 

脇役のイメージが強い貝類ですが、たんぱく質やビタミン、ミネラルを豊富に含み、タウリンなどの機能性成分による健康効果も期待できる優秀な食品です。

アサリやハマグリなど、二枚貝の下処理は砂抜きのみですが、つぶ貝のような巻き貝は下処理に少々手間がかかります。

手軽に食べたい場合は缶詰の活用もおすすめです。

春が旬のアサリやハマグリ、つぶ貝などを活用して、食卓をおいしく彩りましょう。

 

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