春に旬を迎えるイチゴは子どもにも大人にも人気の果物です。
そのまま食べてもスイーツに活用してもおいしく、この安い時期にブランドもののイチゴを購入して楽しみたいと考える方も多いのではないでしょうか。
イチゴは複数の健康効果が期待できる点でも優秀な食べ物でもあります。
おいしく食べて健康管理ができれば、これほど嬉しいことはありませんよね。
本記事ではイチゴの特徴や成分、期待できる健康効果、おすすめのイチゴのブランドについて解説します。
イチゴについてもっと詳しくなりたい場合の知識の参考に、ぜひお役立てください。
イチゴの特徴と成分について
イチゴは甘酸っぱい春の味覚であり、皆さんにも馴染みのある果物でしょう。
まずはそんなイチゴの特徴や、含まれる成分について確認します。
イチゴは野菜?果物?
イチゴは野菜なのか、それとも果物なのか?という議論はよく耳にするかと思います。
私たちは一般に「果物」と認識しているイチゴですが、実は農林水産省の生産出荷統計では「果実的野菜」に分類されています。
また、生産分野では野菜の定義として「食用に供し得る草本性の植物」とあります。
草本性とは木ではなく、草に成るものを指します。
ミカンやリンゴのように木から採れるものは果物、それ以外は野菜、との分類がされるようですね。
そのためツル科のメロンやスイカも分類としては野菜であり、またアボカドは甘味がないものの木になるものであるため果物の分類です。
生産分野、統計分野では野菜と表現されるもののうち、一般的に果物と認識されているイチゴやスイカ、メロンなどが「果実的野菜」と表現されているのです。
もちろん、分類によりイチゴの味や食べ方が変わるわけではないのでご安心を。
ちなみにこの「野菜か果物か」については、過去にトマトも議論されたことがあるようです。
この機会に植物の特徴や分類の歴史を、より詳しく調べてみるのも面白いかもしれませんね。
ビタミンCが美容や健康をサポート
ではここからは、イチゴの栄養素について詳しく確認してみましょう。
イチゴの酸味からはビタミンCを効率的に摂取できます。
ビタミンCといえばレモンのイメージが強いかもしれませんが、レモン果汁100gあたりのビタミンCは50mg。
一方イチゴ100gにはビタミンCがなんと62mg含まれています。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」において、12歳以上の男女の推奨量(ほとんどの人口が必要量を満たすとされる量)は1日あたり100mgと設定されています。
イチゴ100gで1日の推奨量の半分以上を満たせると考えると、その多さも際立つでしょう。
ビタミンCにはコラーゲンの生成をサポートしたり、免疫機能を維持したりする働きがあります。
また体内に発生した活性酸素の働きを抑え、細胞へのダメージを抑える効果も。
肌や血管などを健康に保つように働くため、紫外線による肌や目へのダメージを軽減したり、動脈硬化を予防しあらゆる病気のリスクを下げたりする効果も期待できるでしょう。
酸味の強いレモン果汁を100mL摂るには至難の業。
甘酸っぱいイチゴから効率よくビタミンCを摂取し、美容や健康のサポートに役立てましょう。
キシリトールで虫歯になりにくい歯に
キシリトールという糖類を知っていますか?
歯科の分野では虫歯予防に効果的な糖類として知られています。
キシリトールは虫歯菌の影響を受けても酸を生じません。
酸による「う蝕」を防ぐ効果が期待できるため、キシリトール100%のガムは歯科医院でも販売されています。
実はイチゴには、虫歯予防に役立つキシリトールが豊富に含まれているのです。
砂糖と同程度の甘さを持つキシリトールですが、カロリーは砂糖より低めです。
低カロリーでありながら甘味を楽しみつつ、虫歯予防にも役立つキシリトールは、とくに虫歯になりやすい子どもに嬉しい食品と言えるでしょう。
チョコレートケーキやドーナツなど、多量の砂糖を用いたお菓子をイチゴに切り替えることで、虫歯のリスクを下げる効果が期待できます。
ただしイチゴはキシリトール100%の食べ物ではありません。
虫歯になりやすい糖も含まれているため、食べた後の歯磨きは忘れずに。
アントシアニンで若々しい体づくり
イチゴの鮮やかな赤色は、ポリフェノールの一種であるアントシアニンに由来します。
アントシアニンといえばブルーベリーの紫色を想像する方が多いかもしれませんね。
実はアントシアニンは植物により色調が異なり、鮮やかな赤色のものから紫が強いものまで幅広く確認されています。
アントシアニンはビタミンCと同様に、体内で発生した活性酸素の働きを抑える「抗酸化物質」としての効果が確認されています。
肌や血管へのダメージを防ぎ、若々しい体を保つ効果が期待できるでしょう。
さらにアントシアニンには目の疲れを軽減する効果も確認されています。
私たちの目には「ロドプシン」という視覚を支えるたんぱく質があり、アントシアニンはロドプシンの生成を助けるように働くことが分かっています。
私たちの「見る力」を支えるロドプシン。
アントシアニンの力を借りて目の疲れを解消し、いつまでもくっきり見える目を維持したいものですね。
水溶性食物繊維には生活習慣病の予防効果も
イチゴからは水溶性食物繊維であるペクチンを摂取できます。
イチゴジャムがドロっとした状態に仕上がるのは、ペクチンがイチゴ由来の糖類と酸のもとで反応し、加熱することでゲル化するためです。
水溶性食物繊維は食物の腸内での移動を緩やかにするため、血糖値の急上昇を防ぐ効果が期待できます。
イチゴから効率的に食物繊維を摂取できれば、肥満や糖尿病の予防にも役立つでしょう。
さらに水溶性食物繊維はコレステロールからなる胆汁酸にくっつき、便として排出するよう促します。
体内のコレステロール量を調整できるため、LDLコレステロール(悪玉)の減少にも役立つでしょう。
高血糖や高コレステロール血症は、生活習慣病のリスクを高める重大な因子です。
イチゴの水溶性食物繊維で体調を整え、病気知らずの元気な体を目指しましょう。
この春食べたい!イチゴの有名ブランド3種
イチゴにはさまざまなブランドが展開されていますが、やはり王道と呼べる有名なブランドではレベルの高いおいしさのイチゴを楽しめます。
今回はイチゴの有名ブランドを3種紹介しましょう。
あまおう
主に福岡県で栽培されており、福岡県下のJAグループでは「博多あまおう」のブランド名で販売されています。
「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」の頭文字をとって名付けられた、色・大きさ・味すべてにおいて良好で人気の高いイチゴです。
「あまおう」は甘さと酸っぱさのバランスがよい、濃厚な味わいが特徴的です。
艶のある光沢が美しく、見た目にも嬉しいイチゴとして楽しめるでしょう。
「あまおう」はデリケートなイチゴで、やや水に弱い性質があります。
ヘタをつけたまま流水でさっと洗い、すぐに食べましょう。
とちおとめ
主に栃木県で栽培されており、東日本で最も多く供給されているイチゴです。
味のよさと収穫量の多さが安定しており、長年にわたり親しまれています。
糖度の高さとほどよい酸味が特徴的であり、果汁も豊富であるためみずみずしい食感を楽しめます。
果汁が丈夫であり、比較的日持ちしやすい点も嬉しいポイントですね。
熟した「とちおとめ」は艶のある鮮やかな赤色になります。
果肉の断面まで赤いため、断面を見せた形でケーキやパフェに飾る方法もおすすめです。
紅ほっぺ
静岡県発祥のイチゴであり、「章姫(あきひめ)」と「さちのか」のかけ合わせにより生まれました。
果実が大きく甘味があり、収穫量も多い「章姫」と、甘さと酸っぱさのバランスがよく丈夫な果肉が特徴的な食味のよい「さちのか」。
この2種類のイチゴの優れた特性を受け継ぐ形で「紅ほっぺ」が作られました。
「紅ほっぺ」はイチゴ本来の甘酸っぱさを堪能できる品種です。
春の観光シーズンに多く収穫できるため、いちご狩り用の品種として広く活躍しています。
酸味がやや強いと感じる場合は、練乳の活用もおすすめです。
イチゴミルクにしてもまろやかな味わいになり、よりおいしく味わえるでしょう。
春以外にもイチゴが食べたい方へのおすすめ
春以外にもイチゴは食べられますが、旬を外したイチゴは酸味がやや強く、また値も張ることが多いため食べづらい印象があるかもしれません。
そこで春以外の時期にもイチゴをおいしく食べるための選択肢として、次の2つを紹介しましょう。
冷凍イチゴ
冷凍イチゴはコンビニやスーパーの冷凍コーナーで購入できます。
冷凍庫での長期保存ができるため、すぐ食べられるようイチゴをストックしておきたい方におすすめです。
解凍した冷凍イチゴからは生のイチゴのようなみずみずしい食感は失われています。
しかし冷凍によりイチゴの細胞が壊れていることを利用して、ジャムやスイーツへ加工するとおいしく食べられるでしょう。
イチゴ味のババロアやムースにも冷凍イチゴが活躍します。
そのままアイスクリームやヨーグルトに混ぜると、ピンク色に着色され、程よい酸味と甘みを楽しめるでしょう。
夏イチゴ
イチゴの旬は春との認識が一般的ですが、実は夏から秋にかけて生産量を増やしているイチゴも存在します。
夏に販売されるイチゴのブランドは「夏イチゴ」と呼ばれ、主にケーキなどの製菓に使用されています。
夏イチゴは北海道や高度のある山間地で栽培されています。
大手通販サイトでも購入できるため、スーパーで見つけにくい場合にはネット上での検索もおすすめです。
まとめ:デザートやおやつにイチゴを食べておいしく健康生活
甘酸っぱいイチゴは、春のデザートやおやつに最適です。
若さを保つために役立つビタミンCやポリフェノール、生活習慣病予防に役立つペクチンなど、様々な成分の摂取源としても活躍します。
春には有名ブランドのイチゴもひときわおいしくなります。
お気に入りのブランドを見つけて、ぜひおいしいイチゴを食卓に取り入れましょう。