冬の飲みすぎは特に危険!安全に飲むための対策とおすすめのお酒を解説!

 

2月はまだまだ冷え込む季節。

お酒を飲むと体が温まるため、日本酒や焼酎などのお酒を好んで飲む方も増えるのではないでしょうか。

しかし冬の飲みすぎにはさまざまな危険がともなうため、量や頻度の調整が重要。

本記事では冬の飲酒にともなうリスクや、安全にお酒を飲むために注意すべきポイントについて解説します。

お酒が好きでよく飲む方や、冬に飲酒量が増えやすい方は、ぜひ参考にしてください。

 

 

お酒の飲みすぎは春夏秋冬つねに危険なものですが、冬は特に健康上のリスクが高いと言われています。

まずは冬の飲酒が危険とされる理由について解説します。

 

アルコールが体に溜まりやすい

アルコールが冬よりも夏に悪酔いしやすい理由のひとつに、発汗量や尿量が減りやすいことが挙げられます。

夏のような暑い季節には飲酒による発汗量も増えやすい一方、寒い冬の飲酒では発汗量がそれほど増えません。

また夏場のように暑さから喉が渇くことも少ないため、水やお茶などを飲む量も減りがちです。

しかしアルコールの一部や、アルコールの代謝物であるアセトアルデヒドの一部は、汗や尿からも体外へ出ていきます。

発汗量や飲水量の少ない冬ではアルコールやアルコールの代謝物が出ていきづらいため、酔いが回りやすく、二日酔いのようなアルコールによる害も起こりやすいと言われているのです。

 

脱水になりやすい

冬の飲水量が少ないという特徴は、脱水のリスクにもつながるため注意が必要です。

アルコールには強力な利尿作用があります。

1Lのビールを飲むと、1.1Lの水分が体から尿として出ていくとも言われているほどです。

お酒ばかりを飲むと体から出ていく水分が増えてしまうため、水分補給が不足した冬の飲酒では、脱水のリスクも高まるでしょう。

 

ヒートショックになりやすい

冬に危険視される現象として、風呂場でのヒートショックがあります。

ヒートショックとは急激な温度変化による血圧の変動により起こる失神や不整脈などを指します。

転倒により大怪我をしたり、命を落としたりするケースもある非常に危険な現象です。

入浴では、まず温かい室内から寒い脱衣所や浴室へ入ることでまず血圧が上昇します。

その後、温かいシャワーを浴びたり湯船に浸かったりすることで血管が拡張し、血圧が急激に下がります。

この変動により心臓や脳へ大きな負担がかかるとされているのです。

飲酒時に体が温かくなるように感じるのは、血管の拡張により血流が良好になるためです。

血管が広がりやすい状況では気温の変化による血圧の変動も激しくなるため、特に注意が必要と言えるでしょう。

 

泥酔での屋外睡眠で命に関わることも

泥酔するほど飲むことは春夏秋冬、いつでも危険なものですが、雪が降るような寒い季節には特に注意が必要。

出先での飲酒を終え、泥酔したまま自宅へたどり着けず屋外で眠ってしまった場合、体が冷え切り命を落とす可能性もあるためです。

雪が降っていた場合、道端で眠ると体に雪が上に積もるため、人が倒れている姿が分からなくなり、交通事故に遭うリスクも格段に高まります。

特に雪の降る地域では、泥酔による野宿は命取りと考えた方がよいでしょう。

 

 

冬の寒い季節、安全にお酒を飲むためにはいくつか注意すべき点があります。

お酒による悪影響を防ぐため、次に紹介するポイントを意識してみましょう。

 

1日純アルコール20gを目安に

悪酔いや脱水のリスクを防ぐためには、飲みすぎないことが最も重要です。

厚生労働省では健康日本21において、節度ある適切な飲酒として、お酒を1日に純アルコール換算で20gまでに留めることを目標として設定しています。

純アルコール量は、お酒の容量とアルコール度数、さらにアルコールの比重「0.8」を掛け合わせることで計算できます。

一般的なお酒の、純アルコール量20gに相当する目安量を表にまとめました。

アルコール度数純アルコール20g相当量
ビール約5%500mL(ロング缶1本)
日本酒約15%約165mL(1合弱)
ワイン約12%約208mL(グラス1杯半)
ウイスキー約40%約63mL
焼酎20度20%125mL
焼酎25度25%100mL

ビールであればロング缶1本まで、ワインはグラス1杯半までが適量と言えそうですね。

アルコール度数の高いウイスキーや焼酎は、水やほかのドリンクで割る場合も多く、飲んだ量が分からなくなりやすいため注意が必要です。

飲み過ぎを防ぐため、事前に飲む量を大瓶から取り分けておくとよいでしょう。

 

休肝日を設ける

アルコールの量を減らすことはもちろん、休肝日を設けてアルコールを代謝する臓器である肝臓を休めることも重要です。

また、体からアルコールが抜ける時間を作ることで、酔いが回りにくくなり飲酒量がどんどん増える現象を防ぐ効果も期待できるでしょう。

毎日必ずお酒を飲まなければ落ち着かない、お酒がなければ眠れない、などの感覚がある場合には注意が必要です。

少なくとも週に1回は休肝日を設け、お酒の量が増えていかないよう調整しましょう。

 

飲酒前に入浴を済ませる

ヒートショックのリスクを下げるため、入浴はお酒を飲む前に済ませておくことをおすすめします。

お酒は少量でも血管を拡張させ、血流を改善するように働きます。

そのためヒートショックのリスクは、適量の飲酒に留めた場合でも十分には減らせないと考えるべきでしょう。

お酒を飲んでいない状態で入浴し、安全に体を温めましょう。

ただしお酒を飲まない場合でも、冬の入浴にはヒートショックのリスクがともないます。

熱いお湯を一気に胸や頭へかけるとたいへん危険です。

足先からゆっくりとシャワーをかけることをおすすめします。

 

和らぎ水で悪酔いや脱水を防止

和らぎ水を飲む方法もおすすめです。

和らぎ水とは一般には日本酒を飲みながら飲む水のことですが、ほかのお酒を飲む際にも取り入れることで、悪酔いや脱水を防ぎやすくなるでしょう。

また水を飲むことで満足感が高まるため、お酒を飲む量を抑えやすいという効果も期待できます。

飲酒量を減らすためのサポートアイテムとしても、和らぎ水は有効に働くでしょう。

 

 

もし飲みすぎてしまった場合の対処法を覚えておくと、命に関わる問題が起こることを防ぎやすくなるでしょう。

ここからは飲みすぎた場合の安全対策について説明します。

 

あらかじめタクシーを手配する

飲み会などで飲酒量が増えることが想定される場合には、公共交通機関の利用や徒歩での帰宅を避け、タクシーを手配することをおすすめします。

電車やバスに乗り過ごす心配もないため、より安全に帰宅できるでしょう。

タクシーで帰宅できる程度の金額を残そうという意識も働くため、お酒の飲みすぎを防ぐ効果も期待できるかもしれません。

 

入浴は避ける

飲みすぎた場合にはその日の入浴を避けるのもよい方法です。

もし入浴しないまま翌日を過ごすことがためらわれる場合には、翌朝の酔いがさめたタイミングで軽くシャワーを浴びるとよいでしょう。

ただし浴室が冷え切った状態では、やはりヒートショックのリスクが高いままです。

空調もしくはストーブなどで浴室を温めてからのシャワーをおすすめします。

 

 

冬の飲みすぎは、脱水や悪酔いをしやすいことに加え、泥酔による屋外での睡眠やヒートショックなど、命に関わるさまざまなリスクが高まります。

飲酒量の調節はもちろん、入浴のタイミングや帰宅の手段を工夫して、より安全にお酒を楽しめるようにしましょう。

 

<参考文献>

消費者庁|冬季に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください! -自宅の浴槽内での不慮の溺水事故が増えています-

e-ヘルスネット(厚生労働省)|健康日本21(第二次)におけるアルコール対策

 

 

© 2025 ヘルスハッカー