春の山菜、わらびとぜんまいの魅力とは?特徴やおすすめの調理法を紹介!

 

春にはふきのとうをはじめ、さまざまな山菜が収穫できます。

今回は山菜のなかでも形が特徴的な、わらびとぜんまいについて解説します。

わらびやぜんまいを購入したり、貰ったりしたものの、一般には馴染みの薄い食材のため、どのように調理すればよいか迷う方も多いでしょう。

本記事ではわらびとぜんまいの下処理法や、手軽に調理できるおいしいレシピについて解説します。

わらびとぜんまいについて詳しく知りたい方、下処理の方法に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

 

 

わらびとぜんまいは野菜に分類される食品であり、山菜の名のとおり、春の山で収穫できる食材です。

まずはわらびとぜんまいの特徴について解説します。

 

どちらも3月から旬を迎える

わらびもぜんまいも、3月ごろから旬を迎える山菜。

とはいえ、天然ものの流通は量を大きく減らしており、近年では栽培品が主です。

わらびもぜんまいもハウス栽培がされており、温度管理をおこなうことで収穫時期をややズラすことができますが、やはり市場にはほとんどが春先から初夏にかけて出回るようです。

乾燥品は年中出回っており、水戻しにより生の山菜と同じように使用できます。

ただ、やはり香りや食感を楽しみたい場合には、旬のものをいただきたいところ。

なお、天然ものはより歯ごたえが風味が強いと言われています。

安定した出荷が難しいためスーパーに並ぶことはほぼありませんが、農産市では旬の時期に見かけることも。

春ならではの味覚を、ぜひ楽しんでみませんか?

 

食物繊維やビタミンが豊富

わらびやぜんまいからは、赤血球の形成や体の発育に関わるビタミンの葉酸や、抗酸化物質として体のサビを防ぐように働くβカロテンなどを効率的に摂取できます。

また、ぜんまいやわらびは野菜のなかでも食物繊維が多めです。

食物繊維は糖や脂肪、ナトリウムに吸着して排泄を促すように働くため、血糖値や血中脂質、血圧が気になる方は積極的に摂りたいところ。

また、食物繊維は腸内で善玉菌のエサとしても機能するため、善玉菌を増やして腸内環境を整える効果も期待できるでしょう。

100gあたり、ぜんまいからは3.8g、わらびからは3.6gもの食物繊維を摂れるため、便秘を解消したい方や腸内環境を整えたい方にもおすすめです。

 

 

わらびもぜんまいが家庭料理に取り入れられにくい理由として、そのままの加熱では食べられず、下処理が必要なことが挙げられるでしょう。

そこで今回は、わらびとぜんまいの下処理方法について、手軽にできるものを紹介します。

 

必ずアク抜きが必要

わらびやぜんまいをそのまま食べられない理由は、アクや毒性があるから。

わらびやぜんまいなどのシダ類にはビタミンB1を分解する酵素「チアミナーゼ」が含まれており、ほかの食事のビタミンB1を壊して、ビタミンB1を不足させる可能性があるのです。

ビタミンB1はエネルギー代謝に欠かせない栄養素のため、不足すると倦怠感や神経痛のような症状が出る場合も。

チアミナーゼは加熱により失活するため、アク抜きにより十分に火を通すことが重要ですね。

また、アク抜きによる加熱には、苦みや渋みを取り除いたり、わらびやぜんまいの繊維質な食感を和らげたりして、食べやすくする効果もあります。

わらびやぜんまいを安全に、おいしく食べるため、必ずアク取りをおこないましょう。

 

重曹でキレイにアク取り

わらびやぜんまいのアク取りには重曹の活用がおすすめ。主な手順は次のとおりです。

1. 山菜がすべて入るくらいの大きめの鍋にお湯を沸かして火を止める
2. わらびとぜんまいを入れる
3. 重曹を大さじ1~2杯加えて全体をなじませる
4. 落とし蓋などで山菜が浮いてこないように重しをする
5. 8時間以上を目安に液を捨てる
6. 水を2~3回入れ替えて液が黒くなくなったら完了

重曹はスーパーで購入できます。掃除や洗濯に使用する重曹もありますが、アク抜きには食用の重曹を選びましょう。

一晩そのまま浸すことで、アクが十分に抜けてやわらかく仕上がります。

必要以上に長時間浸したままにすると、やわらかくなりすぎて食感を損なう可能性があるため注意しましょう。

 

 

ここからはわらびとぜんまいの調理法について有名なものを紹介します。

わらびとぜんまいの料理を知りたい方、手軽に楽しめる山菜料理に挑戦したい方は、ぜひ参考にしてください。

 

わらびは卵とじや炒め物に

わらびは味にクセがなく、緑色が美しいため炒め物や煮物など、多くの料理にあいます。

和風だしとともに軽く煮てから卵とじにしたり、豚肉とともに炒めたりすると食べやすいでしょう。

加熱時間が長すぎるとやわらかくなりすぎる可能性があるため、食感を残すためにも煮たり炒めたりする時間を延ばしすぎないようにしましょう。

やわらかい食感を気にしない場合には、炊き込みご飯への使用もおすすめです。

油揚げや鶏肉、ニンジンなどとあわせれば、色鮮やかなおいしい主食として楽しめるでしょう。

 

ぜんまいはナムルでおつまみに

ぜんまいは味にややクセがあるため、ナムルにしておつまみとして食べる方法がおすすめです。

醤油、酢、砂糖、いりごま、すりおろしにんにくとあわせて漬ければ、和風のナムルとして楽しめるでしょう。

コチュジャンや豆板醤のような辛い調味料を加えて炒めると、ピリ辛のおつまみとしておいしく食べられます。

酸味よりも辛味でお酒を楽しみたい場合にはぜひ試してみましょう。

また、ぜんまいは油揚げとの相性がよいため、ゴボウやニンジンとともに油揚げで巻いたり包んだりして食べる方法もおすすめです。

 

 

天然もののわらびやぜんまいを収穫するため、山菜採りに出かける場合もあるかもしれません。

山菜にはわらびやぜんまいのほかにもさまざまなものがありますが、判別ができない見知らぬ山菜には決して触らず、収穫しないようにしましょう。

わらびのチアミナーゼは加熱により失活しますが、山菜に含まれる有毒成分のなかには、加熱しても分解されないものも多く存在します。

誤って口に入れ、強い苦みや舌のしびれを感じた場合にはすぐに吐き出し、体調が悪化した場合には医療機関を受診しましょう。

山菜採りに出かけた知人から譲り受けた山菜でも、見知らぬものがあれば食べない判断も重要になる場合があります。

迷う場合には保健所に相談してみましょう。

 

 

山菜のなかでも、知名度が高い春の味覚であるわらびとぜんまい。

食物繊維をはじめ、葉酸やβカロテンも豊富に摂取できます。

乾燥品は年中入手できますが、ハウス栽培や天然ものとして生のわらびやぜんまいが出回るのは春先から初夏にかけてです。

この時期ならではの山菜を、適切に下処理したうえでおいしく安全に食べましょう。

 

<参考文献>

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所|ビタミンB1 - 「 健康食品 」の安全性・有効性情報

農林水産省|知らない野草、山菜は採らない、食べない!

農林水産省|友人から山菜をもらったが、食べても大丈夫ですか。

 

 

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