2月14日はバレンタインデー。
学校や職場でチョコレートを贈り合ったり、自身へのご褒美や家族用として好みのものを購入したりすることもあるでしょう。
チョコレートはおいしいものですが、一度にたくさん貰うと食べ方に迷う方もいるかもしれません。
食べすぎは太るもとになることに加え、体にさまざまな影響を与える可能性もあるでしょう。
本記事ではバレンタイン後の大量のチョコレートを食べる際の注意点や、食べきれないチョコレートの保存法、チョコレート菓子を手作りした際に余りがちな材料のアレンジ案などを解説します。
チョコレートの食べすぎによる影響が気になる方や、余った材料を捨てずに有効利用する方法を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
貰ったチョコは一度に食べ過ぎない
バレンタインでは普段よりも多くのチョコレート菓子を食べる機会がありますが、やはり一気食いは危険です。
まずはチョコレート菓子の食べすぎによるリスクを確認しましょう。
太りやすくなる
チョコレートには大抵の場合、カカオバターをはじめとする植物性油脂がたっぷり含まれています。
生チョコやチョコレートケーキなどでは生クリームを使用しているため、脂質がさらに多く、摂取カロリーも増えやすい性質があります。
加えて甘くおいしいチョコレート菓子には砂糖も多く使用されています。
お菓子に用いられるグラニュー糖や上白糖は血糖値を急激に上げる点に注意が必要です。
血糖値が急上昇すると、血糖値を下げるホルモン、インスリンの分泌量を増やします。
インスリンは血中の余った糖を脂肪として蓄えるように促す働きがあります。
そのため砂糖を多く使用したお菓子を食べ過ぎると、体に脂肪が付きやすくなると考えられているのです。
脂質と糖質の多いチョコレート菓子の食べすぎは、肥満の原因になることも。
ダイエット中の場合には、とくに食べる量に注意した方がよいでしょう。
虫歯のリスクが高まる
砂糖を用いた甘いチョコレート菓子の食べ過ぎは虫歯にもつながります。
砂糖の摂取量が増えれば増えるほど、虫歯になるリスクも高まることがわかっています。
砂糖を控えることが虫歯や肥満のリスクにつながるとして、WHOは食品からの砂糖の摂取量を、1日の総摂取エネルギーの10%未満に抑えるよう推奨しています。
さらに減らして5%未満にすると、より虫歯のリスクを抑えやすいとも述べられていますね。
たとえば1日の総摂取エネルギーが2000kcalの場合、10%未満の砂糖は50g、5%未満の砂糖は25gとなります。
しかし一般的なミルクチョコレートでは、40~50%ほどが砂糖であるとも言われています。
100gのチョコレートには約40~50gの砂糖が含まれていると考えられ、1日の推奨量をあっという間にオーバーする可能性もあるでしょう。
もちろん、交換したり購入したりしたチョコレート菓子をひとつひとつ計量して、厳密に1日の量を決める必要はありません。
しかし甘いチョコレート菓子は虫歯のリスクが非常に高いことを念頭に置き、量を調節する、食べた後は念入りに歯磨きをする、など工夫した方がよいでしょう。
肌荒れする
チョコレート菓子の食べすぎにより、ニキビをはじめとする肌荒れを生じる可能性もあります。
チョコレートは砂糖に加えて脂質も多い成分。チョコレート自体にカカオバターがたっぷり含まれています。
また、生クリームを多めに用いたお菓子を貰ったりする方も多いでしょう。
高脂質な食品の摂りすぎにより、肌から皮脂が過剰に分泌されやすくなります。
皮脂自体がニキビになるわけではありませんが、過剰な皮脂は毛穴に詰まりやすく、炎症のもととなり、これがニキビにつながると言われています。
ニキビや脂性肌に悩んでいる方は、一度に大量のチョコレートを食べすぎないよう注意しましょう。
風邪を引きやすくなる
甘いお菓子を食べ過ぎた翌日、くしゃみや鼻水に悩まされたという経験はありませんか?
実は砂糖の摂りすぎによる高血糖状態が、白血球の働きを鈍らせることがわかっているのです。
実際、糖尿病の方の白血球や免疫細胞の機能が低下していることはよく知られています。
一時的な高血糖状態においても、風邪を引きやすくなる可能性が考えられるでしょう。
過度な高血糖状態を避けるためにも、やはり一度に食べる量を減らすことは重要です。
冬はインフルエンザをはじめとする複数の感染症が流行する季節。
チョコレート菓子のような砂糖の多い食べ物を控えて、元気な体を保ちましょう。
手作りチョコの賞味期限は?
チョコレート菓子の食べ過ぎは、肥満、虫歯、肌荒れ、免疫機能の低下など、さまざまなデメリットをもたらす可能性があることがわかりました。
しかし市販のチョコレート菓子はともかく、手作りのチョコレート菓子は賞味期限のことを考えて早めに食べきりたいと考える方も多いでしょう。
そこでここからは、手作りのチョコレート菓子をいつまでに食べればよいのか、その目安や保存法について解説します。
2~4日が目安
一般的な手作りのチョコレート菓子の賞味期限は、2~4日とされています。
多くの方が前日にチョコレート菓子を作ることを考えると、1~3日以内に食べきるのが望ましいとも言えそうですね。
貰った当日中に食べきらなければと焦る必要はないため、当日、翌日、翌々日とかけてゆっくり食べるとよいでしょう。
しかしチョコレート菓子のなかでも、生クリームを用いた生チョコやチョコレートケーキは早めに食べきる必要があります。
生チョコを貰った際には、優先的に食べるようにしましょう。
焼き調理をしたクッキーやブラウニーはもう少し日持ちするため、食べる量を調節したい場合には後半に回すことをおすすめします。
密閉すれば冷凍保存も可能
冷凍保存ができないと言われるチョコレートですが、密閉すれば冷凍保存も可能です。
ラップで空気が入らないように包んだうえで、さらにジップロックのような密閉容器に入れて冷凍庫に保存しましょう。
1か月を目安に食べきることをおすすめします。解凍は冷凍庫から取り出して常温でおこないましょう。
注意点として、高脂質のチョコレート菓子を空気に触れさせると、脂質が酸化し、食感や風味が大きく落ちる可能性があります。
密閉できない複雑な形のチョコレートや、脂質のとくに多い生チョコはやはり避けた方がおいしくたべられるでしょう。
手作りチョコレートで余りやすい材料のアレンジ案
ここからは手作りチョコレートで余りやすい材料を、お菓子以外の方法で消費する方法について解説します。
余った板チョコレートやトッピング材料などをどうすべきか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
板チョコレート
板チョコレートは煮込み料理系の隠し味として使用できます。
カレーライス、ビーフシチュー、ビーフソトロガノフ、ミートソース、デミグラスソースなどと相性がよいため、まろやかさとコクを出したい場合にはぜひ加えてみましょう。
購入したレトルトカレーが辛すぎて食べられない場合には、チョコレートを少量入れると辛さが緩和され、食べやすくなります。
多めに余った場合には、家族で食べられるカレーやビーフシチューの隠し味として加えてみてもよいかもしれませんね。
生クリームや牛乳
牛乳はそのまま飲んでも問題ありませんが、生クリームは消費に困るという方も多いでしょう。
少量の生クリームであれば、シチューに加える方法が最もお手軽でおすすめです。
ホワイトシチューに加えることでコクが増し、よりおいしく仕上がるでしょう。
少しお洒落な料理に使用したい場合には、リゾットやポタージュはいかがでしょう?
牛乳でも作れますが、生クリームをプラスしても違和感がなく、本格的な味わいになります。
お菓子へ使用したい場合にはプリンがおすすめ。
牛乳の量を少し減らして生クリームを加えれば、スイーツのようななめらかな食感を楽しめますよ。
トッピング材料
お子さんが作るチョコレート菓子でよく余りやすいものとして、チョコペンやチョコレートスプレーなどがあります。
ケーキやマフィン、クッキーなどを作る場合には混ぜると見た目にも楽しい仕上がりになりますが、再度お菓子作りをする予定がないことも多いでしょう。
そんなときにはトーストのトッピングにする方法がおすすめ。
チョコレートスプレーはトースト前に加えることで、スプレーが溶けて広がりユニークな見た目を楽しめます。
チョコペンが溶けると描いた絵や文字が崩れてしまうため、こちらはトースト後にバターやジャムを塗る感覚でトッピングするとよいかもしれません。
カラフルなトッピング材料で、バレンタイン後の朝食をいつもより少しだけ楽しくしてみましょう。
チョコレートは一気食いを避けておいしくのんびり楽しもう
チョコレート菓子を食べる機会が増えるバレンタインの時期にも、一気食いは禁物。
2~3日に分けてゆっくりと食べましょう。食べきれない場合には、密封できるものを選んで冷凍保存する方法もおすすめです。
また、チョコレート菓子の手作りで余った材料はさまざまな料理に使用できます。
いつもの料理を少しだけ特別にするスパイスとして、ぜひご活用ください。
<参考文献>
糖尿病情報センター|糖尿病と感染症のはなし