暑さが増す季節、熱中症対策として、エアコンやこまめな水分補給が重要。
加えて、元気に夏を乗り切るため「食事」にも気を付けたいところです。
夏は暑くて食欲が沸かず、調理の熱を避けたい気持ちもあり、朝食を抜いたり、飲み物だけで済ませたりしがちです。
けれどもそうした食事を疎かにする生活は、知らず知らずのうちに熱中症のリスクを高めているのです。

本記事では熱中症と食事の関係と、暑い時期にも取り入れやすい、熱中症対策に役立つメニューを紹介します。
暑い時期の食事の重要性について知りたい方、手軽に作れて食べやすいメニューを試してみたい方は、ぜひ参考にしてください。
熱中症と栄養不足の関係
熱中症対策のため、水分や塩分の補給が重要とはよく言われていますが、食事の重要性については知らない方も多いのではないでしょうか。
まずは夏場の食事の重要性や、熱中症と栄養不足の関係について説明します。
汗でミネラルが失われる

暑さにより大量に汗をかく状況では、水分と同時に体内のミネラルも流れ出てしまっています。
ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどが失われやすいため、夏場はとくにミネラルの需要が高い季節と言えるでしょう。
ミネラルやビタミンのような微量栄養素は様々な食品に含まれているため、毎日の食事からさまざまな食材を偏りなく摂ることが重要です。
けれども食欲が落ちやすい夏場では食事量自体が減りやすく、素麺や菓子パンのような単品メニューで済ませることも増えるでしょう。
とくにナトリウムとカリウムは体内の水分バランスを保つ働きのあるミネラルです。
不足により脱水のリスクが高まるほか、筋肉がけいれんを起こして足がつりやすくなることもあるため注意が必要ですね。
食欲低下で脱水リスク増加

暑さにより食事の量が減ると、摂取できる水分の量も減少します。
成人では1日に2.5Lほどの水分が必要とされています。
うち1Lは食事から、0.3Lは体内で生成される代謝水からそれぞれ得ているため、飲み水としては1日あたり約1.2Lが必要と考えられていますね。
ところが十分に食事を摂れていない状況では、この食事から摂れるはずの1Lの水分量が十分に期待できません。
食事量の低下は水分量の低下。
脱水のリスクが高まりやすくなるため注意が必要ですね。
エネルギー不足も危険

食事が十分に摂れなくなることによるデメリットは、水分不足以外にもあります。
それはエネルギーの不足です。
食事から十分なエネルギーが摂れないと体内で熱を作り出しにくくなり、正常な体温調節機能がうまく働かなくなります。
また、熱中症になってしまった際、エネルギー不足で体力が落ちた状態では回復が遅れる原因になることも。
水分とエネルギーの不足を防ぐため、食事を十分に摂ることが重要ですね。
熱中症対策に役立つ食事例
熱中症対策のためには、水分補給に加えて3食規則正しく食事を摂ることも重要です。
ここからは、暑くて食欲が出ない日でも食べやすく手軽に用意できるメニューについて紹介します。
水分やミネラル、エネルギーなどを効率よく摂るための案として、ぜひご活用ください。
冷や汁

冷や汁とは、ごはんに魚のほぐし身や豆腐、薬味などをトッピングして、味噌味の冷たい汁をかけて食べる、宮崎県の郷土料理です。
味のはっきりした、冷たいお茶漬けのような感覚でさっぱりと食べられます。
豆腐、キュウリ、大葉、ショウガのような、加熱不要な食材を盛り付けるだけ。
加熱により暑い思いをすることなく手軽に調理を終えられ、汁物の料理であることから水分を十分に摂ることがでます。
ご飯からはエネルギーを、大葉やキュウリのような薬味からはカリウムを、豆腐からはマグネシウムを、それぞれ摂取できます。
マグネシウムもまた、汗とともに失われやすい栄養素です。
冷や汁で手軽かつ効率的に取り入れたいですね。
スムージー(カリウム補給、塩を少量加える)

朝食時や食欲のないときでも摂りやすいものとして、スムージーがおすすめです。
生の野菜や果物を用いるため、カリウムと水分を豊富に摂れる点が魅力的です。
バナナをベースに、小松菜やスイカ、リンゴなどを加えることで、甘さが増して飲みやすくなるでしょう。
より甘味を増したい場合には、ごく少量の塩を加える方法が役に立つかもしれません。
味の対比効果により甘さが引き立つほか、塩分補給の役目も担えるため、熱中症対策としての効果も強まりますよ。
豚しゃぶ冷やし中華

短時間で茹でられる冷やし中華や素麺は、長時間の調理を避けたい夏場の強い味方です。
エネルギー源にもなるため、不足なく摂りたいものですね。
ここにトッピングとして豚しゃぶを加えることで、一気に夏バテ防止効果が高まります。
薄い豚肉であればすぐに茹で上がるため、短時間の調理で済む点もおすすめです。
豚肉に豊富なビタミンB1は、私たちが食べた糖質を、体内でエネルギーへと変換するために欠かせない栄養素。
素麺ばかり食べてビタミンB1が不十分な状態では、糖質をエネルギーにできず、疲れが出やすくなったり体の怠さを感じやすくなったりすることも。
炭水化物と豚肉を一緒に食べることで、エネルギー不足を効率よく解消しましょう。
朝食を摂る習慣を付けよう

朝食を摂る習慣がない方もいらっしゃるかもしれませんが、夏場に朝食抜きの生活を続けると熱中症のリスクが高まるため危険です。
睡眠中は水分補給や食事ができないタイミング。
そのため起きてすぐの朝は軽い脱水状態を起こしやすい状態にあり、体が水分やエネルギーを強く欲しています。
しかし水分補給や食事を摂らないまま、暑い外へ出てしまうと、さらに脱水が悪化、熱中症の症状として現れる場合があるのです。
朝、食べる習慣がない方でも、ヨーグルトやスムージーなど、喉に通りやすいものから少しずつ摂る意識を持ってみましょう。
ミネラルと水分の摂取で効果的に熱中症対策!
熱中症対策には、水分補給に加え、食事から水分とミネラルをバランスよく補給することが大切です。
冷や汁やスムージーのような手軽に用意できて食べやすいメニューを取り入れて、効率よく水分、ミネラル、エネルギーの不足を防ぎましょう。
<参考文献>
国土交通省 健康のために水を飲もう