低カロリーなだけじゃない!キノコの健康効果とおすすめ調理法をご紹介!

夏も終わり、涼しくなってくると、スーパーにも秋の味覚が並び始めます。

香りがよくさまざまな料理に取り入れやすいキノコ類は、秋を旬とする食材のひとつです。

低カロリーであるためダイエットの強い味方となってくれるキノコですが、実はさまざまな健康効果をもたらす成分が豊富に含まれているのです。

本記事ではキノコに含まれる栄養や、キノコのよさを活かした調理法、秋に食べたいおすすめのキノコなどについて解説します。

秋の味覚をおいしく取り入れ、風邪を引きにくい元気な体を作りましょう。

 

 

キノコは低カロリーであり、糖質やたんぱく質、脂質はほとんど含まれていません。

活動のためのエネルギー源には適していませんが、体調を整えたり体を丈夫にする手助けをしたりする栄養素が豊富に含まれています。

キノコの摂取により期待できる効果について、成分に注目しつつ解説しましょう。

 

ビタミンB群が代謝を促進

キノコからはビタミンB1やビタミンB2、ナイアシンといったビタミンB群を効率的に摂取できます。

ビタミンB群はエネルギー代謝に関わる栄養素です。

ビタミンB1は糖質の、ビタミンB2は脂質の代謝に、ビタミンB6はアミノ酸の代謝にそれぞれ関わっています。

私たちが摂取した三大栄養素である炭水化物、脂質、たんぱく質をエネルギーに変えるためには、ビタミンB群の働きが欠かせません。

ビタミンB群が不足すると、エネルギー不足により疲れが溜まったり、集中力が低下し仕事や学業の効率が下がったりするおそれがあります。

また、摂取したカロリーの消費が滞るため、太りやすい体質になってしまうことも。

元気に毎日を過ごし、カロリーの体内貯留を招かないようにするためにも、ビタミンB群を不足なく摂取しましょう。

 

ビタミンDがカルシウムの吸収率を高める

キノコからはビタミンDも効率よく摂取できます。

ビタミンDはカルシウムの吸収に関わるミネラルです。

骨の強度を維持し、骨軟化症を防ぐために欠かせないカルシウムですが、体内への吸収率が低い性質があります。

しかしビタミンDを摂取していると、体内で「活性型ビタミンD」となり、カルシウムの吸収率を高めてくれるのです。

特に女性の場合、年齢を重ねるほど骨量が減少しやすく、骨粗鬆症のリスクも上がります。

カルシウムと同時にビタミンDも摂取して、骨を丈夫に保ちましょう。

 

食物繊維が便秘や生活習慣病の予防に

食物繊維もキノコに豊富な成分です。

体内に吸収されないためエネルギーにはなりませんが、さまざまな生理機能を持つことが明らかになっています。

食物繊維のうち、水溶性食物繊維は水を吸ってネバついた状態になり、腸内の食物や胆汁酸に吸着します。

食物がネバついて移動が遅くなることにより、体内への栄養素の吸収速度が下がるため、血糖値の上昇を緩やかにでき、太りにくい体づくりや糖尿病予防に役立ちます。

また、胆汁酸はコレステロールを材料としています。

そのため胆汁酸が水溶性食物繊維とともに体外へ排出されると、体内のコレステロール量を減らせます。

血中の悪玉コレステロール値の減少につながるため、脂質異常症予防や動脈硬化予防の効果が期待できるでしょう。

また、不溶性食物繊維は、水を吸って膨らみ、腸を刺激して排便を促す作用があるため、便秘の解消に役立ちます。

さらに食物繊維は、腸内で善玉菌のエサとして機能します。

腸内環境の改善により、免疫機能を高めたり、肌荒れを防いだりする効果も得られます。

生活習慣病や便秘の予防、腸内環境の改善などに、食物繊維の摂取は欠かせません。

キノコの摂取で食物繊維不足を防ぎ、体調管理に役立てましょう。

 

 

このように、キノコに含まれる成分にはさまざまな健康効果が期待できます。

秋の訪れとともに一層おいしくなるキノコを、食事に取り入れたい気持ちになってきたのではないでしょうか。

日本ではさまざまなキノコが食用として売られていますが、中でも有名なものや、安く手に入り常食に適したものを紹介しましょう。

 

シイタケ

キノコの代表格であるシイタケは、焼いても煮てもおいしく食べられる、うま味成分たっぷりの食材です。

シイタケに特有の成分として、エリタデニンが挙げられます。

血中コレステロールを下げる効果が確認されており、シイタケに豊富な食物繊維とあわせて、脂質異常症の改善効果が大きく期待できます。

生のシイタケを調理してもおいしくいただけますが、より濃縮された栄養やうま味成分を摂取したい場合は、干ししいたけを活用してみましょう。

干すことでビタミンDの含有量が格段に上昇するため、カルシウムの吸収率を高める効果がより期待できます。

骨粗鬆症の予防や、コレステロール値の改善のため、シイタケや干しシイタケを活用してみましょう。

 

マイタケ

マイタケはキノコ類の中でもとくにビタミンB2が豊富です。

ビタミンB2は糖質やたんぱく質のほか、とくに脂質の代謝に関係する栄養素です。

脂質を分解してエネルギーに変える手助けをしてくれるため、体脂肪の蓄積防止、燃焼効果が期待できます。

また、ビタミンB2には皮膚や粘膜の機能を正常に保つ働きもあり、口内炎や舌炎など、口周りのトラブル防止にも重要な栄養素として知られています。

口内のトラブルがあると、痛みが強い、味を感じにくい、などの症状により食事をおいしく味わえなくなり、摂取量が減少してエネルギー不足に陥ることも。

ビタミンB2を摂取して口内の粘膜を丈夫に保ち、毎日の食事を楽しみましょう。

 

シメジ

味噌汁や炒め物、鍋料理など、さまざまな料理に入れやすいシメジは、秋のみならず一年を通して安価で手に入れられるキノコです。

シメジにはオルニチンというアミノ酸が含まれています。

オルニチンは肝臓の機能のひとつである「オルニチンサイクル」に使われる栄養素です。

エネルギーの生成や有害物質であるアンモニアなどの解毒を促してくれるため、疲労回復のサポートに役立ちます。

キノコ全般に含まれるビタミンB群とあわせて、高い疲労回復効果が期待できるでしょう。

 

マツタケ

野生での収穫が主となるマツタケは、秋になると大量にスーパーに並びます。

価格が高いため日常的に食べられるものではありませんが、おいしさはやはり格別です。

マツタケの香り成分のひとつであるマツタケオールには、食欲を増進させる働きがあります。

秋は気温の変化が激しく、体調を崩しやすい時期です。食欲が湧かず、食事の摂取量が減ってエネルギー不足に陥ることも。

マツタケの香りで食欲を刺激し、十分に食事を摂れるようにしましょう。

 

 

キノコの栄養を効率的に摂取し、かつおいしく安全に味わうためには、調理にちょっとしたコツが必要です。

キノコを調理する際に気を付けたいことについて、簡単に解説しましょう。

 

スープに使用してビタミンB群の摂取効率UP

ビタミンB群は水溶性ビタミンであり、茹で調理で多くが失われてしまいます。

また、キノコに含まれるミネラルであるカリウムも、茹で調理で量が減少する栄養素です。

カリウムには過剰に摂取したナトリウムを、水とともに体外へ排出する作用があり、高血圧やむくみの改善に役立ちます。

キノコのビタミンB群やカリウムを効率よく摂取したい場合は、茹で汁ごと食べられる味噌汁やポトフなど、スープにして食べるようにしてみましょう。

 

汚れは洗わず、拭き取って

キノコにはマツタケオールやレンチオニンなど、さまざまな香り成分が含まれており、キノコのおいしさをより引き立てています。

この香りをできるだけ失わず調理するために、キノコの流水洗いは避けましょう。

キノコの表面に付いた汚れが気になる場合は、濡らしたキッチンペーパーで軽く拭き取る程度にしておきましょう。

香りがよく残り、一層おいしく仕上がります。

 

生焼け厳禁!しっかり火を通そう

キノコは加熱を前提とした食品であり、生で食べるものではありません。

キノコの味や香り、食感は加熱によりよくなるため、そもそも生で食べてもあまりおいしくないのです。

さらに、生のキノコには有害物質が含まれている場合があります。

食用として栽培されているものでも少量の有害物質が残っており、生焼けの状態で食べると食中毒を引き起こす可能性があるのです。

なお、マッシュルームには毒素が確認されておらず、生で食べても問題ないとされています。

しかしキノコは傷みやすいため、購入後すぐに食べるようにしましょう。

 

 

シイタケやシメジなどの一般的なキノコは、人工栽培により年中、ほぼ同じ価格で出回るようになりました。

いつでも食べられる食品になったため、秋だからといって意識して購入することも少なくなったのではないでしょうか。

しかしキノコには、一年を通して摂取したいさまざまな栄養素が含まれています。

マツタケなど旬のキノコが出回るこのタイミングで、改めてキノコの健康効果を見直し、食卓にキノコを取り入れてみましょう。

 

 

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