餅は太る?白米との違いやおすすめの食べ方を解説!

 

お正月を皮切りに、1月以降は餅を食べる機会が増えてくることでしょう。

鏡餅の「鏡開き」や近所で集まって行われる「餅つき」などで手に入ったお餅を、どのように食べようかと悩むこともあるかもしれませんね。

また、餅は太りやすいのではというイメージを持つ方も多いようです。

ずっしりとした重量がある餅は確かに太りやすいようにも思えます。

しかし餅はお米から出来ているもの。白米と同じでは、と考える方もいることでしょう。

そこで本記事では、餅と白米の違いや餅の太りやすさについて解説します。

また、餅の活用法やおすすめの食べ方についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

 

 

餅も白米も、お米から作られるものです。違いはお米の品種にあり、餅はもち米から、白米はうるち米から作られるのです。

餅と白米の違いは、もち米とうるち米の性質を比べてみると分かりやすいでしょう。

 

粘り気の正体は「アミロペクチン」

もち米もうるち米も、糖質源である「でんぷん」を含んでいます。

「でんぷん」が私たちの体内に入ると、アミラーゼという酵素により小さく分解され、最終的にグルコースという小さな糖になって吸収されるのです。

もち米とうるち米は、この「でんぷん」の構造に違いがあります。

もち米のでんぷんは、粘り気のある「アミロペクチン」で成り立っています。

一方、うるち米は「アミロペクチン」に加え「アミロース」という別のでんぷんも含んでいます。

粘り気のある「アミロペクチン」のみで成り立っているからこそ、もち米にはあのような強い粘り気が生まれているのですね。

 

満腹感を得やすく、腹持ちがよい

アミロペクチンとアミロースには、粘り気の有無以外にも違いがあります。

アミロペクチンは糖の繋がりがたくさん枝分かれするような形の分子です。

一方のアミロースは直鎖状であり、一本の長い形をしています。

これらのでんぷんを分解するための消化酵素「アミラーゼ」は、糖の鎖を「端から順に切る」という性質があります。

そのため枝分かれが多く、たくさんの「端」があるアミロペクチンの方が速やかに分解され、グルコースになりやすいことが分かるでしょう。

このように、アミロペクチンは速やかに吸収される性質があり、血糖値が急激に上がります。

血糖値は体内におけるエネルギーの充足のバロメーターでもあります。

一気に血糖値を上げられる餅は、満足感を得やすい食品と言えるでしょう。

また、餅は噛み応えがあり、粘り気のために腸内をゆっくりと移動するため、腹持ちがよいという特徴もあります。

もちろん食べ過ぎは太るもととなりますが、適度に餅を楽しむことで、食事と食事の間の空腹を防ぐ効果も期待できるでしょう。

高い満足感を得られて腹持ちがよい餅を取り入れてほかの間食量を減らせれば、ダイエットにおけるストレスを減らすためにも役立ちそうですね。

 

 

食べ過ぎに注意したい餅ですが、1日にどれくらい食べてよいものなのでしょう。

普段あまり食べない食品であるため、あまりピンと来ない方も多いかもしれませんね。

餅のカロリーや糖質、ご飯との比較について詳しく解説します。

冬のおかずやおやつとして餅を食べる機会が多い方は、ぜひ以下を参考に1日に食べる量を見直してみましょう。

 

角餅2個でごはん1杯分

日本で一般に売られている丸餅や角餅のカロリーについて確認してみましょう。

丸餅の重量は35g、角餅は50gです。

餅は100gあたり223kcalであるため、丸餅であれば1個あたり78kcal、角餅は112kcalと考えられます。

また糖質量は100gあたり50gであるため、丸餅1個につき17.5g、角餅1個につき25gの糖質が含まれていることになります。

ちなみに炊いた白米をお茶碗に軽く1杯盛り付けたときの重量は約150g、このカロリーは234kcal、糖質は約57gとなります。

ご飯150gを食べたときのカロリーや糖質は、1個50gの角餅2つ分とほぼ同じです。

そのため、主食の代わりとするのであれば1食につき角餅2個、丸餅3~4個ほどが適量となるでしょう。

おやつとして食べる場合には味付けのカロリーも考え、やや少なめが適切かもしれません。

丸餅2個程度の量を目安にするとよいでしょう。

 

食べ過ぎ厳禁!体脂肪増加の原因に

餅は吸収性の高い食べ物であり、血糖値を急激に上げます。

血糖値を急激に上げる食品は太りやすいと言われますが、その理由は、血糖値を管理するためのホルモン「インスリン」の働きにあります。

インスリンは血液中にある余分な糖を、筋肉や肝臓、脂肪組織に運びます。

筋肉や肝臓にはグリコーゲンの形で、脂肪組織には中性脂肪の形で蓄えられます。

血糖値の急上昇により、体脂肪合成を促すインスリンが大量に分泌されることが、太りやすさの原因と考えられているのです。

インスリンは血糖値の上昇が急激であるほど、またその上昇幅が大きいほど多く分泌されます。

対脂肪合成を防ぐためには、少量を、繊維質の多い野菜や海苔などとともに食べることをおすすめします。

食物繊維は栄養素の吸収を緩やかにする働きがあるため、餅と合わせることで血糖値の上昇スピードが弱まり、インスリンの分泌量も抑えられるでしょう。

 

運動前後のエネルギーチャージに最適

血糖値を急激に上げる性質を持つ餅ですが、吸収した糖質をすぐに消費できれば体脂肪が増える心配もありません。

大量のエネルギーを必要とする運動前のエネルギーチャージとして、血糖値を上げやすい餅は非常に適しているのです。

運藤のパフォーマンスを高める効果を得たい場合には、砂糖醤油など、脂質の少ない味付けで運動1時間前を目安に食べるようにしましょう。

インスリンの働きにより筋肉へグリコーゲンを効率的に蓄えられるため、運動においてもパワーを出しやすく、疲労までの時間を遅らせる効果も得られるでしょう。

運動後の筋肉が消耗している状態のときにも、吸収性の高い餅は適しています。

速やかな糖質補給により、筋肉の疲労回復を早める効果が期待できるでしょう。

運動と相性のよい餅を、ぜひ効果的に取り入れてみてください。

 

 

餅の特徴や、食べる際の注意点を解説したところで、おすすめの味付けについて紹介しましょう。

味噌汁に加えたりおでんや煮物に入れたりする方法もありますが、今回はおやつや補食として手軽に食べられる簡単なものを選びました。

それぞれの味付けにおけるメリットも解説しているため、好みや目的に応じて使い分けてみましょう。

 

大根おろしとだし醤油であっさりと

餅をあっさりと味わいたい場合には、大根おろしとともに食べるのがおすすめです。

だし醤油をかければ大根おろしの辛さも弱まり、おいしく食べることができます。

大根おろしには消化酵素であるアミラーゼが含まれています。

餅のでんぷんであるアミロペクチンをより効率的に分解できるため、素早くエネルギーを補給したい場合におすすめです。

さらに大根の辛味成分として知られるイソチオシアネートは、抗酸化物質として機能します。

体内に発生した活性酸素の働きを抑え、病気や老化を予防するように働きます。

トッピングによる健康効果を期待したい場合には、ぜひ大根おろしを選んでみましょう。

 

砂糖醤油と焼きのりでおやつ感覚の仕上がりに

砂糖醤油と焼きのりは、餅を甘辛く食べたい場合の味付けにぴったりです。

海苔は分厚いものを贅沢に巻くことで、餅による栄養の偏りをカバーする効果も期待できます。

餅は精製されたもち米から作られています。

精米されたお米からは、ビタミンB1などを含む胚芽部分が取り除かれています。

しかしビタミンB1は、糖質を体内でエネルギーへと変えるために欠かせない栄養素。

餅の糖質を効率よくエネルギーに変えるには、ビタミンB1をはじめとしたビタミンB群の助けが重要です。

海苔にはカルシウムや鉄のようなミネラル類に加え、ビタミンB1やビタミンB2のようなビタミン類も含まれており、餅のエネルギー代謝を助けるように働きます。

エネルギーチャージや疲労回復の効率化にも役立つため、運動前後の補食にも相性のよい味付けですね。

もちろん、運動しない方においても、餅のエネルギー代謝にはビタミンB1の力が欠かせません。

餅により多くの糖質を摂取してビタミンB1が不足することのないよう、海苔を使ってビタミン類を効率的に補給しましょう。

 

きなこをかけて満足感UP

きなこ餅も、おやつとして人気の味付けです。

きなこ自体には甘みがないため、砂糖を加えて食べるのが一般的ですね。

きなこは大豆を原料としており、食物繊維が豊富であることが特徴です。

餅を食べることによる血糖値の急上昇が気になる方は、ぜひきなこを合わせて食べてみてください。

食物繊維が血糖値の上昇を緩やかにするため、体脂肪合成のリスクを下げることができるでしょう。

さらにきなこからは大豆由来のレシチンやサポニンといった成分を摂取できます。

レシチンは脂質の一種であり、LDLコレステロールを減らして血液をサラサラにする効果が期待できます。

またサポニンは抗酸化物質として機能するため、病気や老化の予防としてこまめに摂取できれば、より健康的な毎日を過ごせるでしょう。

きなこは様々な料理へトッピングとして用いやすい食材ですが、意識して加えないとなかなか摂取する機会が作れません。

餅への味付けを習慣化して、積極的にきなこを取り入れましょう。

 

 

粘り気のある餅は、速やかに血糖値を上げる性質を持ちながら、同時に腹持ちのよさを発揮する食品です。

もちろん食べ過ぎは太るもとですが、適切な量を楽しむことで食事全体の満足感が高まり、腹持ちもよいため食べ過ぎを防ぐ効果が期待できるでしょう。

食事としてご飯の代わりに食べる場合には、角餅2つを目安に楽しみましょう。

運動前後のエネルギー補給として活用する場合には砂糖醤油やのり、大根おろしでの味付けが、血糖値の急上昇を抑えたい場合にはきなこでの味付けがおすすめです。

冬はおいしい餅が手に入りやすい季節。

食べ過ぎに注意しながら、様々な食べ方でおいしく餅を味わいましょう。

 

 

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