カリフラワーはブロッコリーと形状が似ていますが、ブロッコリーほど食卓に並ぶ頻度は高くないかもしれません。
緑が濃い分、ブロッコリーの方が健康に良さそうと考える方も多いかもしれませんね。
しかしカリフラワーにも、ブロッコリーに負けないメリットがあるのです。
今回はカリフラワーの特徴や種類、おすすめの食べ方について解説します。
旬の時期である冬にカリフラワーを活用して、料理をよりおいしく彩りましょう。
カリフラワーはブロッコリーとどう違う?
カリフラワーとブロッコリーは、同じ「花蕾」という、蕾の部分を食べる野菜です。
今回は二つの野菜の色や食感、栄養価に注目して違いを解説しましょう。
カリフラワーは淡色野菜、ブロッコリーは緑黄色野菜
カリフラワーは色が白く、淡色野菜に分類されます。
一方のブロッコリーは緑色が濃く、βカロテンを多く含むことから、緑黄色野菜に分類されます。
カリフラワー100gあたりのβカロテンは18μgですが、ブロッコリー100g中のβカロテンはなんと900μg。
βカロテンは体内でビタミンAに変換され、抗酸化ビタミンとして機能します。
病気や老化の予防に役立つ成分であるため、ブロッコリーのような緑黄色野菜は積極的に摂る必要があるでしょう。
しかしブロッコリーはやや繊維質な味わいがあり苦手とする方もいるのではないでしょうか。
カリフラワーの食物繊維量はブロッコリーよりも少なく、一方ででんぷんなどの糖質量はブロッコリーよりやや多めです。
繊維質を感じさせない、ホロホロとした優しい味わいはカリフラワーの特徴のひとつと言えるでしょう。
カリフラワーのビタミンCは失われにくい
緑黄色野菜であるブロッコリーは、カリフラワーよりβカロテンをはじめとするビタミン類が豊富です。
ビタミンCにおいても、カリフラワー100gあたりの含有量81mgに対し、ブロッコリー100g中には140mg含まれています。
ビタミンCを摂取するには、ブロッコリーの方が効率的であるように思えるかもしれませんね。
しかしブロッコリーは加熱しなければおいしく食べられません。
ビタミンCは非常に繊細な栄養素であり、加熱により壊れたり、茹で調理により茹で汁に溶け出したりして容易に失われてしまいます。
しかしカリフラワーは生でも食べられる野菜であるため、ビタミンCの損失を気にする必要がありません。
また、カリフラワーのビタミンCはでんぷん質に守られているため、加熱しても壊れにくく、茹で調理によっても溶け出しにくいという特徴があります。
同じくでんぷん質の多いじゃがいものビタミンCも失われにくいことで知られていますが、カリフラワーのでんぷん質にも同様の効果が期待できると考えられています。
ビタミンCは抗酸化物質として機能するほか、ストレスにより消費量が増える栄養素でもあります。
冬場は寒さやウイルスによる身体的ストレスを受けやすいため、ビタミンCを効率的に摂取できるカリフラワーがとくに重宝するでしょう。
白だけじゃない!カリフラワーの種類を紹介
カリフラワーといえば白色のイメージがあるかもしれません。
しかし栽培方法や品種により、白以外の鮮やかな色のものが存在します。
鮮やかな色のカリフラワーを取り入れて、食卓の彩りに役立ててみましょう。
オレンジ色のカリフラワーにはβカロテンが豊富
通常のカリフラワーは日光に当たらないよう、葉を花蕾に被せて白く育てています。
ここで葉を被せる処理を行わず、日光に当てて育てると花蕾が黄色やオレンジ色に変わるのです。
オレンジ色のカリフラワーからは、βカロテンを通常のカリフラワーより多めに摂取できます。
抗酸化物質をカリフラワーから効率的に摂取したいと考える場合には、オレンジブーケを活用してみてもいいかもしれません。
紫のカリフラワー由来のアントシアニンで若々しく
濃い紫色が目立つカリフラワーとして「パープルフラワー」や「バイオレットクイン」といった品種があります。
カリフラワーの紫色はアントシアニンという色素によるものです。
ブルーベリーやサツマイモの皮に含まれる色素と同じ成分であり、強力な抗酸化物質として機能します。
アントシアニンは熱に強い成分であるため、加熱しても失われることがありません。
しかし、品種によっては茹で調理でアントシアニンが溶け出す場合があるほか、長時間加熱すると色褪せてしまいます。
そのためアントシアニンの効率的な摂取のためには、茹でたり炒めたりといった調理を短時間で済ませることが重要です。
軽めの加熱でホクホクとした食感と自然な甘みを楽しみましょう。
茹で調理や電子レンジ調理による紫色の変色を防ぎたい場合には、お酢の力を借りるとよいでしょう。
お酢を加えて茹でることで青く暗い色にならず、鮮やかな紫色のカリフラワーを楽しめます。
美しいロマネスコは彩りにも大活躍
黄緑色でゴツゴツとした見た目をしたロマネスコは、カリフラワーとブロッコリーを合わせたような味や食感を楽しめます。
渦を描くように花蕾が密集しており、美しい円錐型が目を引く野菜です。
ブロッコリーやカリフラワーと同様に、茹で調理や電子レンジ調理でも食べられるほか、薄くスライスすれば生でもたべられます。
天ぷらなどの揚げ物にするとよりホクホクとした食感を楽しめるでしょう。
カリフラワーはこう食べよう!おすすめ活用法
カリフラワーはアク抜きや皮むきなどの必要もなく、手軽な茹で調理や電子レンジ調理でおいしく食べられます。
しかし調理法を工夫することで、よりおいしく、より美しい見た目でカリフラワーを楽しむことができるでしょう。
カリフラワーをおいしく食べるための調理法のポイントをいくつか紹介します。
ぜひ以下を参考に、カリフラワーを効果的に取り入れましょう。
丸ごと茹でてビタミン類の損失を防ごう
ビタミンCなどの水溶性ビタミンは、茹でると切断面から流れ出てしまいます。
そのため加熱する際にはできるだけ大きい状態で茹でて、切断面を水に晒さないよう工夫しましょう。
大きな鍋に丸ごと入れたり、耐熱容器にそのまま入れて電子レンジで加熱したりすると、ビタミンCの損失をより抑えられます。
加熱直後のカリフラワー内部は高温になっているため、粗熱を取ってから一口サイズにカットしましょう。
お酢を加えると変色を防いで綺麗な白に
白いカリフラワーにも「フラボノイド」という色素が含まれています。
フラボノイドは酸性では白い状態ですが、アルカリ性では黄色になるため、茹で汁によっては綺麗な白が失われてしまうかもしれません。
茹で調理による変色を防ぎたい場合は、お酢やレモン汁を加えて酸性で茹でるようにしましょう。
ピクルスなど、酢を使った料理に活用することでも色を美しく留めることができます。
紫のカリフラワーに含まれるアントシアニンも、お酢やレモン汁で綺麗な色に留められるため、変色を防ぎたい場合には酸性での調理を意識しましょう。
お米の代わりにも!?主食のボリュームアップに
スーパーなどで、冷凍のカリフラワーを細かくカットしたものが販売されていることがあります。
カリフラワーを白米に見立てて食べることで、主食のボリュームアップやカロリーカットを手軽に行えるため、ダイエット中に活用しやすい商品です。
カリフラワー自体には少しの甘さがあるのみで味に強いクセは見られないため、おかずにも合わせやすいようです。
食事の満足感を高めるために役立つため、ダイエット中で食事量を減らすことを苦痛に感じている場合の選択肢としておすすめです。
自宅でカリフラワーをお米のように食べるには、フードプロセッサーで細かく砕いてから電子レンジで加熱したり炒めたりしてみましょう。
チャーハンやカレーなどのボリュームアップやカロリーカットにぜひお役立てください。
まとめ:カリフラワーをおいしく食べて若々しい体を目指そう
カリフラワーはビタミンCを効率よく摂取でき、ホクホクとした食感と優しい甘さを楽しめる野菜です。
ピクルスやサラダなどの副菜としても、細かく砕いて白米の代わりとしてもおいしく食べられるでしょう。
ビタミンCの効率的な供給源として、あるいは食卓の彩りとして、形も色も綺麗なカリフラワーをぜひ活用してみてくださいね。