5月は新茶の流通がスタート!お茶の淹れ方や苦みの抑え方などのコツをご紹介!

 

緑茶は1年を通して飲むことのできる飲料ですが、特においしく飲めるとされているのが新茶の時期。

5月には新茶の流通がスタートするため、甘く飲みやすい新茶を手に入れたいと考える方も多いはず。

本記事では新茶の概要や、二番茶との味や栄養価の違い、おいしく新茶や二番茶を飲む方法などについて解説します。

新茶ならではの味や、新茶の意外な楽しみ方を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

 

 

新茶の旬は5月。

童謡の「茶摘み歌」に「夏も近付く八十八夜」とありますが、八十八夜とは立春から数えて88日目のことです。

今年の立春は2月3日のため、八十八夜は5月1日ということになりますね。

旬の茶葉を収穫する時期は八十八夜の頃が相応しい、というのは、童謡にも歌われるほどになじみ深いものであるようです。

 

新茶とは「一番茶」のこと

なぜ5月に収穫される茶葉が新茶と呼ばれるのでしょう。

それはこの茶葉が、育ったお茶の木からその年の始めに収穫されるものだから。

そのため、年の始めに収穫された茶葉は「一番茶」とも呼ばれています。

 

低温環境下でじっくり育った甘味豊かな茶葉

一番茶の味わいが二番茶と異なるのは、茶葉の育ち方に由来するものと考えらえています。

一番茶は冬から春にかけて気温が徐々に上がってくる時期に、やわらかい日の光を浴びながら育ちます。

冬の間に蓄えられた栄養を十分に使いつつ、長い時間をかけて茶葉が作られているのです。

一方、二番茶は一番茶の収穫後に育つ茶葉であり、5月以降の暑い日差しのなかで急速に成長します。

成長時の気候や速度の差が、一番茶と二番茶の違いを生み出しているようですね。

 

 

ここからは新茶(一番茶)と二番茶の違いについて、成分に注目してより詳しく解説します。

 

甘味やうま味の成分「テアニン」が多い

冬から春にかけて栄養を濃縮し、じっくりと時間を掛けて育てられた一番茶には「テアニン」が豊富です。

テアニンは甘味やうま味の成分として知られるアミノ酸です。

甘さとコクが強いお茶を楽しみたい場合には、ぜひ新茶を試してみましょう。

 

二番茶からは「カテキン」を効率よく摂取可能

二番茶は強い日差しのなかで急速に成長するため、テアニンが十分に作られていません。

相対的に渋みのあるポリフェノールの「カテキン」が増えます。

私たちがよく知る、渋味のあるサッパリとした味わいは大抵、この二番茶によるものと考えられそうですね。

カテキンには抗菌効果により風邪を引きにくくしたり、食事中の糖や脂肪の吸収を緩やかにしたりする効果が確認されています。

健康飲料として緑茶を常飲したい場合には、手に入れやすくカテキンも豊富な二番茶がおすすめです。

 

カフェインの量はほぼ変わらない

緑茶に含まれるカフェインの量は、新茶でも二番茶でもほぼ変わらないと言われています。

一般的な煎茶に含まれるカフェインの量は100gあたり20mgです。

一般的なコーヒー100gには60mgのカフェインが含まれているため、コーヒーの3分の1程度の含有量と考えるべきでしょう。

カフェインには利尿作用や覚醒作用があるため、トイレが近くなったり眠気を感じにくくなったりする場合があります。

新茶でも二番茶でも、寝る前の飲みすぎには注意する必要がありそうですね。

 

 

ここからは新茶の特徴である甘みと旨みをより引き立てるための、お茶の淹れ方について解説します。

新茶の適切な淹れ方が分からず悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

 

お湯を沸騰させない

お湯の温度は70度が目安とされています。

新茶を淹れる際には、沸騰させたばかりのお湯ではなく、少し時間を置いて冷ましたお湯を使用しましょう。

90度を超えるお湯では、渋み成分のタンニンの溶出量が増えてしまいます。

もちろんさっぱりとした味わいの新茶にも味わいがありますが、新茶の甘みを存分に楽しみたい場合には90度を下回るまでお湯を冷ました方がよいでしょう。

 

茶葉はたっぷり用いる

新茶は二番茶よりも、1杯あたりの茶葉の量を増やすとよいでしょう。

一般的な緑茶では一人あたりティースプーン1杯(2~3g)が目安とされています。

新茶ではやや多めに調整すると、味が濃くなりよりおいしく飲むことができます。

 

二番茶の渋みは水出しで抑える!

二番茶、すなわち通常の緑茶の渋みが気になる場合には、お茶の淹れ方を工夫することで渋みを抑えやすくなります。

その方法とはズバリ、お湯ではなく水で抽出すること。

水出しでは、甘みや旨みを出すテアニン、およびカテキンのなかでも渋みが比較的弱いエピガロカテキンと呼ばれる成分は、お湯出しと同様に溶出できます。

しかしカテキンのなかでも渋みが強いエピガロカテキンガレートは、水出しにより抽出量が減る成分。

水出しで長時間かけて淹れることで、渋みの少ない爽やかな味わいのお茶を楽しめるでしょう。

また、水出しではカフェインの溶出量も減少します。

夜間に緑茶を飲みたい場合にも、水出しの緑茶は活躍しそうですね。

 

 

茶葉に含まれるテアニンやカテキンなどの成分は、お茶にすべて溶け出すわけではなく、一部が茶葉のなかに残っています。

新茶を余すことなく楽しみたい場合には、この茶殻を少し加工しておいしく食べてみましょう。

おすすめは茶殻をクッキングシートに広げてから電子レンジで1~2分加熱し、乾燥させたものをふりかけのようにする方法です。

塩やごまとあわせてご飯と混ぜ込めば、茶葉の香りとごまの香ばしさを同時に楽しめます。

梅干しや鮭フレークとあわせてお茶漬けにする方法でもおいしく食べられます。

具材として茶葉を加え、上から濃いお茶を注げば、新茶の風味を存分に堪能できるでしょう。

 

 

5月ごろから流通が始まる新茶は、甘みと旨みを存分に楽しめる飲みやすいお茶です。

生育の差により渋み成分が少ないため、普段のお茶の渋みを苦手とする方でも食べやすいでしょう。

より爽やかでおいしいお茶を淹れたい場合には、多めに用意した茶葉へ70度程度のお湯を注ぐ方法がおすすめです。

二番茶の渋みを減らしたい場合には水出しで長時間抽出してみましょう。

5~6月は風味豊かな甘い新茶を楽しめる絶好のタイミング。

ぜひおいしい新茶を手に入れて、自宅でおいしく楽しみましょう。

 

<参考文献>
厚生労働省|食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~

農林水産省|緑茶の美味しさと機能性を両立する「水出し緑茶」

農林水産省|特集1 緑茶(4)

 

 

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