真夏に飲みたくなるお酒といえば、のど越しのよいビール。
夏は喉が渇きやすいことから、冷たく冷やした缶ビールを一晩で何本も飲んでしまう方もいるかもしれませんね。
しかしビールをはじめとするアルコール飲料の摂りすぎはさまざまな健康リスクを高めるため、飲む量を決めて楽しむ必要があるでしょう。
本記事ではビールの特徴やビールを飲みすぎることによるリスクに加え、お酒との適切な付き合い方についても解説します。
ビールによる健康リスクが気になる方や、健康維持と飲酒を両立させる方法を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

ビールってどんなお酒?
数あるお酒のなかでもとくに有名なビール。アルコール度数が日本酒やワインより低いことから、お酒に弱い方でも比較的飲みやすいとも言われています。
一方で独特の苦みがあることから、ビールを苦手とする方もいるかもしれませんね。
まずはビールというお酒の特徴について解説します。
麦を原料とする醸造酒

ビールは主に麦を原料とする醸造酒です。
大麦のほか、小麦やライ麦、えん麦なども使用されることがあるようですね。
ビールの黄金色や黒色は麦の麦芽に由来するものです。
麦を発芽させたものを乾燥および焙燥させ、麦芽の酵素による糖化やホップによる苦味付けを経て発酵させることで、糖分のほとんどがアルコールと炭酸ガスに変化します。
この状態の若ビールと呼ばれる液体を数十日熟成させ、ろ過することで私たちに馴染みのある黄金色のビールが出来上がるのです。
ビールのような糖質を含むお酒は醸造酒と呼ばれます。
お米を原料とする日本酒や、ブドウを用いたワインも醸造酒ですね。
一方、同じく麦を原料とするウイスキーや、イモや大麦を原料とする焼酎などは、蒸留という過程を経ることで糖質を取り除いており、一般に蒸留酒と言われています。
お酒にはこのように、糖質を含むものと含まないものがあることを覚えておきましょう。
さまざまな「オフ」ビールについて

健康志向の高まりとともに、ビールにさまざまな加工を加えて「オフ」を謳う商品が増えてきています。
たとえば、醸造酒であるビールに豊富な糖質を抑えた「糖質オフ」のビールや、尿酸値を上げて痛風や尿路結石のリスクを高めるプリン体を抑えた「プリン体オフ」のビールなどもあります。
ダイエットとビールを両立させたい方向けに「カロリーオフ」のビールも数を増やしていますね。
なお「オフ」ビールにより麦芽の含有量が減ったものは、ビールではなく発泡酒と記載されています。
ビールと似た味わいを楽しめるため、健康管理と飲酒を両立させたい方は、これらの「オフ」ビールを取り入れてみるのもよいかもしれません。
ビールの飲みすぎによるトラブル
ビールをはじめとするお酒の飲みすぎは危険であることはよく知られています。
アルコールの過剰摂取による悪酔い、肝機能への悪影響、アルコール依存症のリスクなどは、お酒全般に言えることですが、ビール特有の問題というのも確認されています。
ここからはビールの飲みすぎにおいてよく見られるトラブルについて説明します。
太りやすくなる

ビールのような醸造酒は糖質を含むため、ウイスキーのような蒸留酒よりも太るリスクが高いとされています。
糖質を摂ると血糖値が上昇し、体内では血糖値を下げるためのインスリンというホルモンが分泌されます。
インスリンは血中の余った糖を、筋肉、肝臓、脂肪組織などへ蓄えるように働きかけます。
筋肉や肝臓に蓄えられる糖には上限があるため、オーバーした糖はすべて脂肪へ。
つまり糖質による血糖値の上昇により、体へ脂肪が付きやすくなると考えられているのです。
ダイエットにおいて糖質が目の敵にされ、糖質制限が効果的と言われているのはこのためです。
飲酒による血糖値の上昇を抑えたい場合には、糖質オフのビールを選んだり、ウイスキーや焼酎のような蒸留酒に切り替えたりしてみましょう。
脱水のリスクが高まる

ビールはお酒のなかでも、とくにのど越しがよいお酒です。
とくに夏場は缶ビールを3本も4本も飲んでしまうこともあるかもしれません。
当然ながら、それだけ大量に水分を飲んでしまうとトイレも近くなります。
加えてアルコールには非常に強力な利尿作用があり、お酒を飲めば飲むほど、お酒以上の水分が尿として外へ出ていってしまうのです。
ビールを10本飲んだ場合、尿として出ていく水分はビール11本分になるとも言われています。
とくに夏場は汗をかきやすく、脱水を起こしやすい時期でもあります。
ビールの飲みすぎによる脱水には十分注意しましょう。
尿路結石や痛風の原因になる

ビールに含まれるプリン体は、体内で分解されると尿酸になり、高尿酸血症や痛風、および尿路結石の原因となることがあります。
プリン体はビールのみに含まれるものではないため、ビールをやめればリスクがなくなるわけではありませんが、健診で尿酸値の高さを指摘されたことがある場合には、ビールを控えた方がよいかもしれません。
プリン体オフのビールを選んだり、尿酸の排泄を促すために水を多めに飲んだりする方法も、尿路結石や痛風のリスクを下げるためには重要です。
健康管理とビールを両立させるためには?
最後に、健康管理とビールを両立させるために意識したいことについてまとめました。
暑い夏にビールをおいしく楽しむためのコツとして、ぜひ参考にしてください。
1日ロング缶1本まで

アルコールによる害を抑えるため、またプリン体や糖質の摂りすぎを防ぐためにも、ビールはロング缶1本(500ml)までに抑えましょう。
厚生労働省は「節度ある適度な飲酒」の量として、1日平均アルコール換算で約20g程度と示しています。
アルコール5%のビールであれば、ロング缶1本で純アルコール量が20gになるため、飲みすぎによる害も起こりにくいと考えられるでしょう。
もちろん、ほかのお酒を追加で飲んでよいわけではありません。
併せてウイスキーのシングルを1杯飲みたい場合には、ビールの量をさらに減らす必要がある点に注意が必要ですね。
おつまみは低糖質かつ低カロリーのものを

悪酔いを防ぐためにも、飲酒時のおつまみは重要です。
しかしスナック菓子やフライドポテトのような高カロリーのおつまみを選ぶと、肥満のリスクが高まります。
体重のコントロールのためにも、おつまみは低糖質かつ低カロリーのものを選びましょう。
ビールであれば枝豆や冷奴、キムチなどがおすすめです。
水や炭酸水で水分補給

ビールで摂取した水分は、強力な利尿作用により尿として排出されてしまいます。
夏場はとくに脱水のリスクが高まるため、コップ1杯を目安に、水や炭酸水などを飲むことをおすすめします。
緑茶やコーヒーには、同じく利尿作用のあるカフェインが含まれるため、水分補給の手段としては適していません。
またカフェインとアルコールを併せて摂ることで、アルコールによる酔いの感覚が軽減され「まだ酔えていない」との判断から、もっと酔うためにお酒を飲みすぎてしまいやすくなることも考えられます。
お酒の場でのコ-ヒーはとくに避けるべきです。コップ1杯の水や炭酸水を取り入て、脱水を防ぎましょう。
量とタイミングを工夫して真夏のビールを適度に楽しもう

のど越しのよいビールですが、アルコール、プリン体、糖質などの摂りすぎを避けるためにも、量の調整は重要です。
とくに夏場の飲酒では、水分の喪失による脱水のリスクも高まるため、飲みすぎにはとくに注意すべきでしょう。
ビールは1日ロング缶1本程度に抑えるとともに、おつまみも低カロリーかつ糖質の少ないものを選びましょう。
脱水を防ぐため、ビールとともに水を飲む方法もおすすめです。
暑い夏にはのど越しのよいビールがよりおいしく感じるものです。量や飲み方を工夫して、健康的にビールを楽しみましょう。
<参考文献>
健康日本21アクション支援システム Webサイト|アルコールと高尿酸血症・痛風