春ジャガイモと秋ジャガイモはどう違う?おすすめレシピや調理のコツをご紹介!

 

ジャガイモの旬といえば、新ジャガが出回る春を想像する方が多いでしょう。

しかしジャガイモの旬は秋にもあり、春のジャガイモとはまた異なる味わいを楽しむことができます。

本記事では春ジャガイモと秋ジャガイモの違いや、秋ジャガイモをおいしく食べる方法、ジャガイモを長期保存するためのコツなどを解説します。

秋の味覚のひとつとして、さまざまな料理に合うジャガイモを多めに取り入れたい方は、ぜひ参考にしてください。

 

 

春に採れるジャガイモと秋に採れるジャガイモでは、どのような違いがあるのでしょう。

まずは両者の特徴について簡単に解説します。

 

ジャガイモの旬は1年に2回

ジャガイモの旬は春と秋に2回あります。

春ジャガイモは一般に2月下旬~3月下旬に植え付けをおこない、5~6月ごろに収穫します。

秋ジャガイモは8月下旬~9月下旬に植え付けをおこない、10~11月ごろに収穫するものが多いようですね。

収量は春ジャガイモの方が多いようですが、秋にもジャガイモの収穫量が増えるため、安価で入手できるようになるでしょう。

 

春ジャガイモの特徴

春に収穫するジャガイモには、芽の成長が止まる「休眠期」が長めの品種が適しているとされています。

男爵やメークインと呼ばれる有名な種類は、休眠期が長いことから春によく植えられますね。

春ジャガイモのうち、収穫してすぐのものは新ジャガイモとして出荷されます。

新ジャガイモには主に次のような特徴が見られるでしょう。

• 水分が多く、みずみずしい
• 皮が薄く、柔らかい
• でんぷんが少なくシャキシャキ感がある
• 長期の保存には適していない

水分の多い新ジャガイモは早めに食べることをおすすめします。

シャキシャキ感を活かしやすい炒め物と相性がよいでしょう。

 

秋ジャガイモは「休眠期」の短い品種が適しているとされています。

休眠期間が長い男爵やメークインは、春に収穫したものだと晩夏までに芽が出ず、秋ジャガイモとして植えることができない場合があります。

そのため秋ジャガイモには、すぐに芽が出るキタアカリのような品種が選ばれることが多いようですね。

秋ジャガイモには次のような特徴が見られます。

• でんぷんが多く、ほくほくとしている
• 皮が比較的分厚い
• 長期保存に適している

秋ジャガイモは皮が比較的厚いため、丸ごと蒸したり煮込んだりする方法では皮の硬さが食感を損なう場合があります。

ほくほくとしたなめらかな味わいを楽しむため、皮は剥いて調理しましょう。

 

 

秋ジャガイモの扱い方

秋ジャガイモはでんぷんが多く、ほくほくとした食感を楽しめることが分かりました。

ここからはそんな秋ジャガイモの食べ方や調理法、保存方法などについて解説します。

 

煮物にしやすい

水分の多い春の新ジャガイモと異なり、でんぷんの多い秋ジャガイモは味が染み込みやすいため、大きく切って調理する煮物に適しています。

反対に薄切りにして炒め物にする場合には、ほろほろと崩れる場合があるため、油とともに短時間でさっと炒めることをおすすめします。

 

電子レンジ調理もおすすめ

より手軽に秋ジャガイモを食べたい場合には、電子レンジ調理もおすすめです。

レンジ蒸しして柔らかくなったジャガイモは、潰してポテトサラダにしたり、こふきいもとして食べたりすることができます。

また、電子レンジ調理はジャガイモの栄養価を高く保つためにも活躍します。

ジャガイモはイモ類のなかでもビタミンCが豊富な種類ですが、ビタミンCは水溶性のため、煮たり茹でたりする操作ではビタミンCが減りやすい点に注意が必要。

しかし電子レンジ調理であればビタミンCの減少を最小限に抑えられます。

ビタミンCをイモ類から効率的に摂りたい場合には、ぜひ電子レンジ加熱を試してみましょう。

 

常温保存を推奨

水分が少なく、でんぷんの多い秋ジャガイモは、常温でも腐敗が進みにくい食品です。

冷蔵保存もできますが、気温の低すぎる場所には入れないようにしましょう。

低温障害を起こし、ジャガイモの質が大きく下がる可能性があるためです。

秋ジャガイモを収穫できる秋から初冬にかけては気温も下がるため、冷蔵庫に入れずとも適切な温度帯で保存できるでしょう。

 

芽や緑の皮に注意

秋ジャガイモは春の新ジャガイモよりも長期の保存が可能ですが、保存環境には注意が必要。

光に当たる場所で保存すると、表面にソラニンと呼ばれる毒性の物質が増える可能性があるのです。

また、家庭菜園などで収穫したジャガイモが十分に成熟していない場合にも、ソラニンが増えている場合があるようですね。

ソラニンは大量摂取により食中毒を引き起こすこともある物質です。

吐き気、下痢、腹痛などの消化器症状を中心に不調が起こり、脱水が進み神経症状を引き起こした事例も確認されています。

芽が出たジャガイモや、長期間日光の当たる場所に置いたジャガイモにはとくに注意が必要です。

ジャガイモは光が当たると表面が緑色になるため、緑色のジャガイモにはソラニンが増えていると推測できるでしょう。

ソラニンは皮や芽の部分を中心に増えやすいことが分かっています。

芽が出たものや皮が緑色になったものは、芽を深くくり抜いたり皮を普段より分厚く剥いたりしましょう。

口に入れたときに強い渋みを感じる場合には、すぐに口から出して食べるのをやめる判断も重要です。

 

 

さまざまな食べ物がおいしい秋において、食卓の名脇役であるジャガイモは見過ごされがち。

しかし秋のジャガイモには春の新ジャガイモにはないホクホク感とまろやかさがあります。

保管環境に気を付ければ、数カ月単位での保存も可能。煮物や蒸し料理など、さまざまな料理に秋ジャガイモを取り入れてみましょう。

 

<参考文献>
農林水産省|じゃがいもに含まれる天然毒素「ソラニン」や「チャコニン」に関するQ&A

 

 

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