気温や湿度が徐々に上がり、体の怠さを感じやすくなる初夏。
そんな季節に積極的に取り入れたいのが「にんにくの芽」です。

スタミナを付けるための食材としてよく知られているにんにく。
にんにくの芽はそんなにんにくに由来しながらも、より食べやすく、日常の料理に取り入れやすい特徴があります。
本記事では、にんにくの芽の基本的な特徴から栄養素、さらにおいしく食べるためのポイントまで詳しく解説します。
にんにくの芽とはどんな野菜?
まずはにんにくの芽について説明しましょう。
緑色の真っ直ぐに伸びる茎が束になった状態で、スーパーにはよく売られていますが、どのような特徴があるのでしょうか。
ニンニク上部の茎を食べる

にんにくの芽とは、にんにくの球根が育つ際に伸びる茎のことです。
「花茎(かけい)」と呼ばれる部分、ここを若いうちに収穫したものが食用として流通しています。
にんにくの芽にはシャキッとした歯ごたえがあります。
加熱してもほどよい食感が残るほか、緑の野菜でありながら加熱してもかさが減らない点が特徴的ですね。
また、にんにくの芽は加熱しても鮮やかさが失われにくく、料理を彩りよく仕上げやすい点もメリットとして挙げられるでしょう。
ニンニクとの香りや食感の違い

にんにくと聞くと、強い香りや刺激をイメージする人も多いでしょう。
しかし、にんにくの芽はそれほど香りが強くなく、比較的マイルドな風味が特徴です。
そのため、にんにく特有のにおいが気になる方でも食べやすく、日常の食事に取り入れやすい食材と言えるでしょう。
また、にんにくのようなホクホク感ではなく、シャキシャキとした軽快な食感を楽しめる点も大きな違いです。
にんにくの芽に含まれる主な栄養素とは
ここからはにんにくの芽に豊富な栄養素について紹介します。
スタミナ回復の王様とも呼ぶべきにんにく、その食材に由来するにんにくの芽の魅力について、栄養価の点から確認してみましょう。
βカロテン

にんにくの芽は鮮やかな緑色をしており、βカロテンを豊富に含むことから緑黄色野菜に分類されています。
βカロテンはプロビタミンAとも呼ばれる栄養素で、体内でビタミンAに変換され利用されます。
ビタミンAは目や皮膚の健康維持に関わるほか、抗酸化ビタミンとしても機能する栄養素。
私たちの体は、呼吸や代謝などで酸素を消費する際、体のサビの原因となる活性酸素を発生させることがあります。
活性酸素が増えすぎると、酸化ストレスとして体にダメージを与えてしまい、老化や病気の原因となることも。
活性酸素の働きを抑えて体を若々しく保つためにも、にんにくの芽のような緑黄色野菜から、βカロテンをたっぷり摂りたいものですね。
アリシン

にんにくは疲労回復効果やスタミナを付ける効果が高いと言われますが、その理由のひとつが、このアリシンです。
にんにくに豊富な栄養素ですが、にんにくの芽からも摂取できます。
アリシンは硫化アリルの一種であり、独特のにおいや辛みを持つ成分。
にんにくではこのにおいや辛さを強く感じますが、加熱調理を前提とするにんにくの芽ではどちらもほどよく抑えられています。
アリシンには血圧を上昇させるホルモンの働きを抑えたり、血管を拡張させて血圧を下げたりするように働きかける効果が確認されています。
血流を良好に維持し、体を若々しく保つ効果が期待できそうですね。
ビタミンB群

にんにくの芽からはビタミンB1やB6のようなビタミンB群も摂取できます。
ビタミンB群は、体内でエネルギーを生み出す働きをサポートする重要な栄養素です。
特に、ビタミンB1は糖質の代謝にかかわる栄養素です。
せっかくお米やパン、麺類などから糖質をしっかり摂取していても、ビタミンB1が不足していると、効率よくエネルギーへ変換できません。
その結果、疲れやすさや体のだるさ、集中力の低下につながることもあります。
ビタミンB群は、疲労回復やスタミナ維持にも役立つとされています。
バテてしまいがちな5月にこそ、意識して摂りたい栄養素のひとつですね。
にんにくの芽の食べ方について
このように、鮮やかで食感もよいにんにくの芽からは、さまざまな栄養素を効率よく摂れることが分かりました。
それではここから、にんにくの芽をおいしく食べるためのアイデアについて紹介します。
炒め調理で芽を鮮やかに

にんにくの芽は加熱調理を前提としています。
揚げ物や煮物にも使えますが、やはり鮮やかな緑色やシャキシャキとした食感を活かすためには、炒め物にするのがよいでしょう。
加熱しすぎると食感が損なわれてしまうため、短時間で仕上げるのがポイントです。
強火でさっと炒めることで、鮮やかな緑色とシャキシャキとした食感がより引き立ちます。
にんにくの芽は豚肉や牛肉との相性が良く、スタミナ料理としても人気があります。
オイスターソースや醤油ベースのはっきりとした味付けがメジャーです。
ご飯と合わせておいしくいただきましょう。
長持ちさせる保存方法のコツ

にんにくの芽の鮮やかさやシャキシャキとした食感を保つには、鮮度の維持が重要です。
購入後はなるべく早めに使い切るのが理想ですが、保存する場合は冷蔵庫の野菜室に入れておきましょう。
乾燥を防ぐため、軽く湿らせたキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて保存する方法がおすすめです。
少しシャキシャキ感が損なわれる場合もありますが、使い勝手のよい方法として、炒めるときの長さまでカットしたうえで密閉袋や密閉容器に入れ、冷凍保存するアイデアもあります。
冷凍した場合は、解凍せずそのまま鍋やフライパンに入れて加熱と解凍を同時におこなうと、食感を損なわずにおいしく調理できます。
緑のスタミナ食材で本格的な暑さに備えよう!

にんにくの芽は、さっぱりとした食べやすさとスタミナ補給に役立つ栄養素を兼ね備えた、初夏にぴったりの食材です。
クセが少なく、さまざまな料理に取り入れやすい点も魅力といえるでしょう。
これから迎える本格的な暑さに備えて、日々の食事ににんにくの芽を取り入れてみてはいかがでしょうか。
手軽に作れる炒め物から始めて、無理なくおいしく栄養を補給していきましょう。
<参考文献>
文部科学省 | 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年(食品成分データベース)