冬の寒い時期に食べる鍋として、あんこう鍋を楽しむ方もいるかもしれませんね。
見た目が特徴的な深海魚ですが、どのような味なのか、どのような食べ方が適しているのかは、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では冬が旬の魚、あんこうをテーマに、魚としての特徴や栄養価、食べる際の注意点などについて詳しく解説します。

あんこうについて詳しくなりたい方、あんこうを食べるメリットや、安全にあんこうを食べる方法などを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
あんこうってどんな食べ物?
サーモンやハマチのように、スーパーでいつでも見かける魚というわけではないのがこのあんこう。
どのような魚であるのか、詳しく知らない方も多いでしょう。
まずはあんこうという魚の概要について解説します。
冬が旬の深海魚

あんこうはフグと同じく、冬を旬とする深海魚です。
高価なイメージがあり。大型の魚であるために手軽に捌くことも難しいことから、一般家庭での調理は稀ですね。
普段は深海に暮らしているあんこうですが、冬になると産卵のため、栄養をたっぷりと蓄えた状態で浅瀬に現れるため漁獲が可能になります。
身の引き締まったあんこうの肝を堪能できるのは、この産卵の時期だけ。冬にあんこうの鍋料理が有名になる理由も分かりますね。
淡白な身と濃厚な肝

「鍋の王様」と言われることさえある、あんこう。その特徴は淡白な身と濃厚な肝にあります。
あっさりとした淡白な身にはクセがなく、和食、洋食、中華、どのような料理とも相性がよいと評判です。
淡白な身をオリーブオイルでソテーするようなシンプルなやり方でも、あんこうの身のおいしさを堪能できますよ。
濃厚な肝はそのままの形で食べることもあれば、酢味噌と練り合わせてタレの形にして楽しむこともあります。
郷土料理「どぶ汁」では、あんこうの肝を溶かすようにして旨みを汁全体に馴染ませています。
タレや汁の形でも、あんこうの肝は楽しめるようですね。
どの部位もおいしく食べられる

あんこうは、体のほとんどの部位を食べることができる、廃棄の少ない魚としても知られています。
一般には身、皮、肝、えら、ヒレ、卵巣、胃袋の七つの部位を「あんこうの7つ道具」と呼びます。
部位ごとに異なる食感や味わいを楽しめる点でも広く知られていますね。
たとえば唐揚げや鍋には、身とコラーゲンのバランスがよい「ひれ」が適していると言われています。
胃袋や皮は臭みが残っている場合があるため、よく洗ったうえで酢味噌やポン酢のような調味料と合わせる方法がよいとされていますね。
調理法により適した部位を選び、さまざまな形であんこう料理を楽しみましょう。
あんこうに特徴的な栄養素は?
深海魚であるあんこうからは、一般的な赤身魚や白身魚とは異なる栄養素を摂取できます。
ここからはあんこうに特徴的な栄養素について解説します。
身にはコラーゲンがたっぷり

あんこうの白身部分は低脂質であり、非常にさっぱりとしています。
皮にはうろこがない代わりに、外敵から身を守るための策でしょうか、粘液によるぬめりが見られます。
プルプルとした皮やヒレのゼラチン質にはコラーゲンが豊富。
言わずと知れた肌の弾力性を構成する成分のため、積極的に摂りたいと考える方も多いかもしれませんね。
あんこうから摂取できる海洋性のコラーゲンは、豚から摂取できる動物性のコラーゲンよりも体内での吸収率が高いと言われています。
ぜひあんこう鍋などから、良質なコラーゲンをおいしく摂取しましょう。
肝には脂溶性ビタミンがたっぷり

さっぱりとした身とは対照的に、肝には脂質が多くこってりとした味わいを楽しめます。
「海のフォアグラ」とも呼ばれることがあるあんこうの肝には、脂溶性ビタミンであるビタミンAやビタミンDが豊富。
とくにビタミンAは100gあたり8300μgもの量が含まれています。
肉類のレバーと同様に、肝からはビタミンAを非常に効率よく摂ることができますね。
ビタミンDも100gあたり110μgと豊富に含まれています。
ビタミンDはカルシウムの吸収率を高めるにおいて重要な栄養素。
不足すると骨を丈夫に保つことが難しくなるため、なるべく不足なく摂りたいものですね。
高い栄養価を誇るあんこうの肝は、脂溶性ビタミンの不足の解消にも役立ちそうですね。
あんこうの肝の食べすぎに注意!

身からはコラーゲンを、肝からは脂溶性ビタミンを効率よく摂れるあんこうですが、とくにあんこうの肝の食べ過ぎには注意が必要です。
理由は、豊富に含まれているビタミンAにあります。
脂溶性ビタミンは多めに摂りすぎた場合、外に排出することが難しく体内に溜め込んでしまいます。
水溶性ビタミンであれば、摂りすぎた分は尿として体外に排出できるのですが、ビタミンAの場合には体内への蓄積が起こりやすい点に注意が必要です。
あんこうの肝に含まれるビタミンAは100gあたり8300μg。
男女の成人における1日の耐用上限量が2,700μgであるため、約30gを食べるだけでも1日の耐用上限量を上回りかねません。
ビタミンAの摂りすぎでは吐き気や頭痛のほか、肝機能障害が確認された例もあります。
栄養価の高いあんこうの肝ではありますが、摂りすぎは禁物。
毎日の摂取は避け、少量を楽しむ程度に留めておきましょう。
冬のあんこうを鍋や唐揚げで堪能しよう

冬になると深海から浅瀬にやってくるあんこう。
身や皮のあっさりぷるぷるとした食感と、肝のこってりした味わいの両方を楽しめる、面白い食材です。
あんこう鍋が有名ですが、身をソテーにしたり、肝をタレや汁に加工したりと楽しみ方はさまざま。
ぜひ旬のあんこうを食べられるお店を見つけ、この時期だけの味覚を堪能しましょう。
<参考文献>
農林水産省|うちの郷土料理|あんこうの共酢 茨城県
農林水産省|冬の風物詩 山口県の「あんこう」